YKK AP 住宅本部 第一営業統括部 営業開発部 長野浩紀氏と、リノベーション本部 事業開発部 奥武雄氏は、「窓」リフォームの観点からヒートショック対策を考え、日経アーキテクチュアの「日本の住まいの悩みランキング」を引用し、住まい全般に関わるアンケートに関わらず、「暑い」「寒い」「結露」といった「窓」に対する悩みが上位を占めていることを指摘した。
両氏は、「日本の家では夏も冬も窓から5割以上の熱が逃げており、窓を一新してしっかり断熱すれば、住まいの問題の多くが解決に向う」と語った。
一般的に、窓開口部のリフォームは3パターン。まず、「ガラスの交換」と「内窓の設置」だが、これでは古い窓の動きが悪い場合は直せない。3番目が「外窓の交換」で、すなわち窓ごと交換するやり方だが、外壁を切る大工事となり、1週間もかかってしまう。
そこでYKK APが提案するのが、「かんたん マドリモ」。カバー工法で壁工事は必要なく、2階も足場不要の室内施工で2時間〜半日程度で完了する。さらに雨戸付窓や面格子付窓などにも対応可能だ。奥氏は、マドリモ工事の流れを説明し、簡潔さとスムーズさを強調した。「リフォームでは後回しにされがちな窓だが、システムバスとともに窓も一新することで、浴室空間の快適性を高め、健康に寄与してヒートショックを防ぐことにもなり、まさに住まいの価値を変えられる」(奥氏)。
セミナー終盤は、フクビ化学工業 フェノバボード推進室 小仲雄久氏が断熱リフォームにより、「冬、暖かい住宅」が生まれ、家族の健康づくりにも役立つと提案。冬、暖かい住宅の健康への影響について、小仲氏はデータに基づき、部屋間の寒暖差を抑えることによる「ヒートショック対策」以外に、「血圧の低下とコレステロール値の改善」「各種疾病の高い改善率」の3点を挙げた。健康面への影響に加え、快適性を向上させるためにも体感温度を上げる必要があり、断熱材の断熱性能がカギとなる。フクビ化学工業では、樹脂の特徴を生かした多様な断熱用部材を有しているが、選ぶべき断熱パネルとして「フェノバボードR」を採り上げた。
断熱パネル市場で後発メーカーのフクビ化学工業は、市場ニーズに的確に捉え、特に小施工に貢献したいとの考えで、開発したのがフェノバボードRである。フェノバボードRは、内装下地材に超軽量石膏(せっこう)板を使用していることで、通常より約25%軽く、持ち運びが容易で天井面でも施工しやすい。
エアコンや照明など重量物を取り付ける箇所用の合板タイプや開口部まわり用の専用見切部品など、用途に合わせた部品を用意し、断熱効果も折り紙付きだ。施工前/後の温度比較で、表面温度は約4度、体感温度は約2度の差が出ており、施工後の壁の熱貫流率(U値)を実測すると施工前のU値0.67は、施工後には0.34に抑えられたという。
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