monifiは、専用のクラウドやダッシュボード、分析用サーバなどで構成され、多種多様なセンサーで取得したインフラ構造物の振動や河川の水位といったデータを収集し、分析することで、インフラの劣化度合いや災害状況を推測し、予防保全を後押しする。
さらに、ゼロエナジー高感度カメラや多様なセンサーと連携させることで、広範囲におけるインフラ巡回点検の自動化、遠隔地からの災害現場に対するモニタリングなどが可能になる。
OKIの大塚氏は、「monifiは、Agility(はじめやすい)、Scalability(拡張しやすい)、Usability(把握しやすい)をコンセプトに掲げた機能を搭載している。Agilityでは、センサーで得られた情報の収集だけでなく、モニタリング技術研究組合の基準※2に基づいた各種のモニタリング手法を提供する他、1台のセンサーからインフラのモニタリングに応じる」と語った。
※2 モニタリング技術研究組合の基準:モニタリング技術研究組合のガイドラインに基づくしきい値をモニタリング基準として採用。モニタリング技術研究組合は、道路・高速道路の管理者、ゼネコン、建設コンサルタント、電気・通信メーカー、センサー・設備メーカー、各分野の専門家との相互扶助組織団体。
続けて、「Scalabilityでは、多数のセンサー接続が行え、小規模から大規模までのモニタリングができ、OKI製のセンサー機器や通信プロトコル“MQTT※3”に対応する他社製のセンサーも接続可能で、センサー計測値を分析する手法はアドオンで拡張する。Usabilityでは、モニタリング状況を表示する画面のカスタイマイズに応じ、表やグラフ形式だけでなく、GISや図面の重畳など、位置の把握が容易な表現形式を採用して、視認性を高めている。加えて、センサーによる計測値があらかじめ設定したしきい値に到達した際に、指定したメールアドレスへ通知し、センサーとモニタリングの情報を円滑に関係者に共有する」と補足した。
※3 MQTT:Message Queueing Telemetry Transportの略称で、メッセージサイズが小さく、通信経路が不安定な場所でも使え、必要な商用電力を抑えられる通信プロトコル。
monifiの専用ダッシュボードでは、しきい値をあらかじめ設けると、水位計で取得した水位がしきい値を超過した時に、注意・危険水位として可視化する。一方、無線加速度センサーで得られた傾斜角は数値で傾斜角度を表示し、変化をグラフで表す。「専用ダッシュボードは無線加速度センサーユニットがセンシングした橋梁の固有振動情報から張力も算出する」(大塚氏)。
monifiの価格は、ゼロエナジーゲートウェイとファイバーセンサー1台当たりの初期費用が10万円で、月額費が1センサー※4当たり1万5000円(いずれも税別)。なお、センサー計測値の閲覧画面はあらかじめ仕様が決まったテンプレートを提供する。販売目標は、インフラを保有・管理する会社や官庁、自治体を対象に、2022〜2024年度までの3年間で1000拠点。
※4 無線加速度センサーから取得した情報をmonifiで閲覧する機能を指す。モニタリング手法を利用時は追加費用が必要。
ゼロエナジー高感度カメラの実演では、実証実験で静岡県沼津市の雨水貯留地や海岸、長野県上田市の菅平高原に配置されたゼロエナジー高感度カメラが取得しているリアルタイムの映像を披露。
monifiのデモンストレーションでは、会場内に設置された橋梁の模型に取り付けた無線加速度センサーユニットが取得した傾斜角を、連携する専用ダッシュボードで見える化しただけでなく、センサーユニットの計測値があらかじめ設定したしきい値を超えた時に、指定したメールアドレスへ通知される様子も公開した。
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