OKIは、自社のマルチホップ無線を活用して、高速道路の工事で車線規制をする際に危険を知らせるシステムを開発した。
沖電気工業(OKI)は、道路工事の現場に可搬式センサーネットワークを構築して危険車両の侵入を検知するシステムを「メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2019」(会期:2019年7月24〜26日、東京ビッグサイト)で披露した。
OKIは、同社の低消費電力マルチホップ技術を活用した920MHz帯無線「SmartHop」で、道路工事の数キロに及ぶ現場をネットワーク化し、危険を知らせるシステムを開発した。
SmartHopは、ビルや広範な建設現場をカバーするネットワークを安価に構築でき、さまざまな用途に利用することができる無線。使用している920MHz帯は、電子タグやアクティブ系の小電力無線に割り当てられた周波数帯で、従来の2.4GHz/429MHzといった免許不要な無線周波数帯に比べ、通信速度100kbpsで高速かつ電波到達性に優れ、社会インフラをモニタリングするのに適している。
このSmartHopを用いた危険車両の検知システムは、一般に市販されているカラーコーンタイプのデリネーター(視線誘導施設)に取り付けた衝撃検知ユニットが、コーンの転倒や車両衝突を検知する。920MHz帯のマルチホップ無線により、約200メートル間隔で各コーンのユニットがバケツリレーの様に通信を仲介し、作業トラックなどに搭載した制御装置に衝撃情報を届ける。
受信した制御装置は、瞬時に作業員がヘルメットに付けた警報端末や信号灯、携帯端末へユニットを中継しながら警報をそれぞれに通知する。到達速度は2キロなら1秒で伝わるため、危険車両が到達するまでの避難時間を十分に稼げる。
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