沖電気工業は、同社が推進する防災DX事業の一環で、ソーラー発電駆動により外部電源が必要なく、夜間など暗い低照度環境でも照明を用いず鮮明に構造物を撮れる「ゼロエナジー高感度カメラ」と多種多様なセンサーで取得したデータを一括管理できるインフラモニタリングサービス「monifi」を開発した。今後は、防災DX事業全体で2022〜2024年度までの3年間で100憶円の売上を目指す。
近年、国内では、橋梁(きょうりょう)やトンネルといった構造物の老朽化と自然災害の激甚化により、インフラのモニタリングや災害時の状況確認が求められている。解決策の1つとして、遠隔から現場の状況を確かめられるカメラシステムが活用されているが、カメラと照明に必要な電源の敷設、通信回線の配線工事が必要で、手間とコストが課題となっている。
そこで、沖電気工業(以下、OKI)は、ソーラー発電駆動により外部電源が不要で、夜間など暗い低照度環境でも照明を用いず鮮明に撮れる「ゼロエナジー高感度カメラ」の販売を2022年3月17日に開始した。同日には橋梁(きょうりょう)などのインフラ構造物で生じる劣化を予測・予防保全するインフラモニタリングサービス「monifi(モニフィー)」を同年4月に発売することを発表した。
同年3月17日には都内でゼロエナジー高感度カメラとmonifiの記者発表会を開いた。会場では、OKI 取締役専務執行役員 ソリューション事業本部長 坪井正志氏、同事業本部 IoTプラットフォーム事業部長 西田慎一郎氏、同事業本部 社会インフラソリューション事業部長 大塚竜治氏が、ゼロエナジー高感度カメラとmonifiの機能や開発した経緯を説明した後、両製品のデモンストレーションを行った。
坪井氏は、「当社では現在、展開している防災向けの事業に、センサーとクラウドサービスを活用したDXを取り入れた“防災DX”事業を推進している。防災DX事業では、橋梁、ダム、路面、法面、トンネルを対象に、モニタリングや計測、分析が行えるサービスを提供する。こうった取り組みの一環として、ゼロエナジー高感度カメラとmonifiを開発した」とあいさつした。
ゼロエナジー高感度カメラは、OKIが展開している「ゼロエナジーゲートウェイ」シリーズの1つで、夜間の低照度環境でもクリアな画像を撮影できる高感度カメラモジュールを搭載しており、このモジュールは、高度なスリープ制御に対応し、同型のイメージセンサーを備えたカメラモジュールと比較して消費電力が3分の1で、省電力を達成している。
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