OKI、JR東日本、FPV Roboticsの3社は、ドローンを運ぶことが難しい橋梁や河床における調査の効率化や安全性の向上を目指し、ドローン搭載型MNB測深機「CARPHIN air」を開発した。
OKIは、「CEATEC 2019」(会期:2019年10月15〜18日、幕張メッセ)に出展し、東日本旅客鉄道(JR東日本)やドローンの製造販売などを展開するFPV Robotics(FPV)とともに共同開発したドローン搭載型MNB測深機「CARPHIN air」を参考出品した。
CARPHIN airは、OKIシーテックの可搬ボート型マルチビーム(MNB)測深機「CARPHIN V」を小型化し、FPV製水陸両用ドローンに搭載した機体。MNB測深装置部は、深浅測量に必要な全ての機器(小型化したマルチビーム測深装置とGNSS・動揺計)を組み込んいるため、キャリブレーションが不要で、作業時間を縮められる。
また、キャリブレーションの相違による測深誤差もなく、ノウハウや技術がなくても深浅測量が行えるのが特長だ。
水陸両用ドローンは、自律飛行・自動回帰機能を有している上、コントローラーによるマニュアル操作にも対応する。簡単にバッテリー交換可能な構造で、長時間の測量にも応じている。プロペラ部分は着脱が容易で、搬送時にスペースを取ることも無い。
OKIの担当者は、「CARPHIN airは、飛行や着水、水上航行、測量、離水、着陸までのワークフローを自動制御により、オートメーション化した。そのため、機器の設置や運搬が困難な橋梁(きょうりょう)の点検をスムーズに進められる」と説明した。
また、「ドローンの機体とMNB測深機は分離できるため、持ち運ぶ際にかさばらない。使用機材は全て国産のため、整備がしやすいのも特徴だ。水中音響センシング技術をベースにしたセンサーを標準装着しているが、異なるセンサーを取り付けることで出来形の測量などにも使える可能性がある」と話す。
利用シーンは、河床や河川部の橋脚、ダムなどの水中測量業務と、岸壁、水中構造物の調査などを想定している。
JR東日本、OKI、FPVの3社は現在、CARPHIN airを用いて、河床状況調査の実証実験に取り組んでおり、販売開始は2020年度第3四半期を予定している。
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