木造中層新築賃貸マンションが稲城市で竣工、完成後1カ月以内にほぼ満床のワケとは?プロジェクト(3/3 ページ)

» 2022年02月18日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]
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直上の歩行や飛び跳ねの音を遮音

 509号室の直下にある4階の410号室では、Muteの性能を披露するデモンストレーションが行われただけでなく、太田氏が木造の賃貸集合物件がマンションとして入居者募集が可能になった経緯を説明した。

 デモンストレーションでは、509号室にいる三井ホームのスタッフがジャンプや歩行といった動きをとり、その振動と音が直下の410号室に伝わるかを検証。その結果、509号室いるスタッフの行動による音や振動が410号室にほとんど伝わらないことが判明した。

タブレットを用いて配信された、509号室にいる三井ホームのスタッフの動き

 太田氏は、「これまで木造の賃貸集合物件は、アパートとしてしか募集できなかったが、プレハブ建築協会と大手の不動産Webサイト運営会社が、マンションの定義を見直し、首都圏不動産公正取引協議会の了承を得て、2021年12月6日に、指定の条件を満たせば、木造の賃貸集合物件をマンションとして入居者募集が可能になった」と触れた。

 410号室の間取りは2LDKで、リビングダイニングキッチン、浴室、洗面所、クローゼット、収納、トイレ、2部屋の洋室などから成る。

マンションとして入居者募集が可能な木造賃貸集合物件の条件
410号室の洋室

 1階にある101号室の間取りは3LDKで、リビングダイニングキッチン、浴室、洗面所、クローゼット、収納、トイレ、3部屋の洋室などで構成されている。太田氏は、「リビングダイニングキッチンにはテレワークスペースも設けている。テレワークスペースの隣にあるキッチンのカウンターは食事もとれるように仕上げているため、さまざまな生活のシーンで役立つ。寝室として使用する洋室にはプロジェクター付きの照明を採用し、横になりながら映画などを楽しめる環境を構築した」と述べた。

101号室のリビングダイニングキッチンのテレワークスペースとキッチン
101号室の寝室にあるプロジェクター付きの照明

MOCXION INAGIの概要

 MOCXION INAGIは、木造(一部RC造)5階建てで、延べ床面積は3738.30平方メートル。所在地は東京都稲城市百村1625−1で、敷地面積は1499.20平方メートル。総戸数は51戸(モデルルームとクオリティーラボを含む)で、専有面積は50.82〜68.08平方メートル。

 無料駐輪場(68台分)や有料のバイク置き場(6台分)や駐車場(17台分)を備えている。アクセスは京王相模原線「稲城」駅から徒歩3分の立地。竣工は2021年11月で、入居開始は同年12月20日。

「MOCXION INAGI」の外観
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