アキレスは、港湾・河川・湖などの護岸や橋梁などのインフラ施設における空洞補修工事の作業を効率化し、充填効果を向上する「ジュウテンバッグ」を全国で販売開始。既存工法の課題であった、水中での充填材の流出を防止し、大型重機も必要としない。
アキレスは、港湾・河川・湖などの護岸や橋梁などのインフラ施設における空洞補修工事の作業を効率化し、充填効果を向上する「ジュウテンバッグ」を2021年11月1日から全国で販売開始した。
近年、港湾などの護岸施設での洗掘による空洞化や橋梁の老朽化が原因の補修案件が急増している。これまでは、充填材に流動化処理土などを使用した空洞補修工事が行われてきたが、作業中に充填材が流出する懸念があった。また、空洞の規模によっては大型重機が必要で、空洞化した不安定な地盤上での工事は安全性も課題であった。
同社はこれらに対応するため、小さな注入孔より挿入でき、柔軟性、強度、耐久性があって空洞内で破損しにくく、水中での充填材の流出を防止するジュウテンバッグを開発した。空洞内部に流動化処理土や発泡ウレタンなどの充填材を注入して使用する空洞充填用袋体だ。特許出願済みで、徳倉建設との共同開発のジュウテンバッグ工法もNETIS登録済みとなっている。
同製品はポリウレタンとポリ塩化ビニールの2種類の素材があり、標準タイプのシート厚は共通の0.2ミリメートルで、いずれも空洞の大きさや形状に合わせて製作できる。折り畳むと直径10〜20センチメートルの注入孔から挿入でき、掘削を最小限にし、大型重機を必要としない。
ポリウレタン製は柔軟性・弾力性が高く、空洞化した護岸の補修工事に適する。特殊な形状に折り畳んで保護材を使用することで挿入時の損傷を防ぎ、挿入後は空洞の形状に合わせて内部で速やかに広げられる。
ポリ塩化ビニール製は耐久性に優れ、橋梁の床版打替え工事において桁内ボイド管へのコンクリート流入を防止する発泡ウレタンの注入充填に適する。その他、施工後に土中で水と二酸化炭素に分解する生分解性シートを使ったジュウテンバッグも別途検討している。
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