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» 2022年01月04日 14時00分 公開

鹿島とリコーのVR空間を利用した“遠隔現場管理システム”に、360度カメラとライブ配信の機能追加VR

鹿島建設とリコーは、新潟県長岡市の大河津分水路工事に適用していたVRを活用した遠隔の現場管理システムに、360度カメラとライブストリーミングの機能を追加した。新機能により、複数人の関係者がいつでもどこからでも、遠隔立ち合い検査ができる環境が整った。

[BUILT]

 鹿島建設とリコーは、2021年5月から国土交通省 北陸地方整備局発注の大河津分水路新第二床固改築I期工事に、「リコーバーチャルワークプレイス」を導入し、VRを活用した遠隔現場管理を行っている。

 このたび新機能として、360度カメラ「RICOH THETA」とライブストリーミングサービス「RICOH Live Streaming API」で、VR空間内のコミュニケーションを360度ライブ映像で行える機能を追加したことを2021年12月20日に公表した。新機能で、複数人がいつでも遠隔から、360度ライブ配信映像内に同時参加できる環境が構築された。

360度ライブ映像で見落とし箇所無く、複数人が現場全体を確認

遠隔に居ながら現場の360度リアルタイム映像で施工状況を把握 出典:鹿島建設、リコープレスリリース

 近年、Webカメラや携帯端末などを用いて、現場を遠隔から管理する取り組みが活発になってきている。大河津分水路工事でも、リコーバーチャルワークプレイスを用いた現場の遠隔管理行っているが、従来のWebカメラは画角が限定的で、遠隔からの参加者は現場全体の状況を十分に把握することが困難だった。

 そこで、東京都港区の鹿島本社の一角にシステムの設備一式を常設し、新潟県長岡市の大河津分水路工事の360度ライブ映像配信ブースを設けた。これにより、いつでも東京から新潟県の現場に入り込み、現場状況がリアルタイムで確認できるようになった。今後、360度カメラの設置現場を増やすことで、本社に居ながら、さまざまな現場の遠隔パトロールなどが可能になる。

大河津分水路新第二床固改築I期工事の現場に設置した360度カメラ 出典:鹿島建設、リコープレスリリース
本社に設置した専用ブース 出典:鹿島建設、リコープレスリリース

 360度カメラを用いる利点は、これまでの限定的な画角では確認しきれない箇所も見落とすことなく、遠隔にいる参加者それぞれが、あたかも現場にいるかのように周囲の状況を把握できるようになる。

 また、参加者同士は360度のライブ映像内で、自由にコミュニケーションをとれるため、以前よりも迅速な合意形成が実現する。さらに、より多くの関係者が手軽に遠隔で参加できるように、PCやiPadなどの端末からでも、VRゴーグルを装着した参加者と同じ360度ライブ映像を視聴することができるようにもしている。

360度ライブ配信映像とWebカメラ映像を併用して、遠隔立会検査を実施 出典:鹿島建設、リコープレスリリース

 また、鹿島建設では遠隔現場管理システムを工場の遠隔検査にも適用。大河津分水路工事で使用する鋼殻ケーソンは、北九州の工場で製造されており、これまでは鋼殻ケーソンの外観検査のため、工事関係者全員が現地に赴く必要があった。今回は、360度カメラとWebカメラを持った社員1人が現地を訪れ、工場検査をライブ配信し、制作物の細部はウェアラブルカメラの高解像映像で映し、発注者や現場担当者、本社などの核関係者は遠隔から参加。遠隔検査は支障無く完了し、これにより、移動時間の短縮、関係者のスケジュール調整手間の削減など、大幅な生産性の向上につながった。

遠隔での工場検査 出典:鹿島建設、リコープレスリリース

 今後は、遠隔パトロールや遠隔立会など、建設現場での対象範囲を拡大するため、必要な実施手順を整備するとともに、屋外での長期使用に耐えうる設備の耐久性やシステムの操作性を改善していく。

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