世界の主要国について、建設業就業者における65歳以上が占める割合と全就業者における65歳以上が占める割合をみると、建設業就業者での65歳以上が占める割合は、日本が17.1%であるのに対して、韓国は6.3%、米国は5.6%、カナダは4.5%となっており、日本は世界でも際立って建設業就業者の高齢化が進んでいる。
また、韓国は全就業者で65歳以上が占める割合は11.2%だが、建設業では6.3%となっており、建設業の就業者は他産業ほど高齢化が進んでいないが、日本の建設業は反対に他産業以上に高齢化が進んでいる。
高齢者の総人口に占める割合は、日本が29.1%(2021年時点)で世界最高であることを考えると、我が国において65歳以上の就業者数が増えるのは当然ではあるが、そのなかでも、建設業では他産業以上に65歳以上が占める割合が高くなっている。また、韓国や米国と比較しても建設業の高齢化は際立って進んでいることがデータから分かった。
今後は、65歳以上の就業者84万人(2020年時点)が順次に退職していくことを想定すると、特に若年者を中心とした労働者の確保が大きな課題になる。加えて、日本社会においては高齢化がさらに進むという実態を踏まえると、65歳以上の高齢者層をいかに活用するのかも大きな課題になると思われる。
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