本連載では、建設HR 編集部(旧ヒューマンタッチ総研)が独自に調査した建設業における人材動向について、さまざまな観点で毎月レポートを発表している。今回は、総務省統計局の「労働力調査」を基礎資料に、建設業界の高齢化について考察している。
総務省統計局が発表した「統計トピックスNo.129」によると、我が国の総人口(2021年9月15日現在推計)は、前年に比べて51万人減少している。一方、65歳以上の高齢者人口は、前年から22万人増加して3640万人と過去最多。総人口に占める割合も、前年から0.3ポイント上昇して29.1%と、過去最高となっている。
このように社会全体の高齢化が急速に進む国内で、建設業における就業者の高齢化は現状でどのようになっているのであろうか。
今回は、建設業の就業者における高齢化の進行状況について、統計データを用いて足元の現況を把握する。
建設業での65歳以上の就業者数とその割合の推移をみると、65歳以上の就業者数は2012年の47万人から増加傾向が続き、2020年には84万人となっている(図表1)。
就業者に占める65歳以上の割合も、2012年の9.3%から2020年には17.1%にまで上昇しており、建設業でも就業者の高齢化が進んでいることが分かる。
産業別に65歳以上の就業者が占める割合をみると、65歳以上の割合が最も高いのは「不動産業、物品賃貸業」の26.4%だった。次いで「サービス業(他に分類されないもの)」が23.0%、「生活関連サービス業、娯楽業」が18.7%、「建設業」が17.1%となっており、建設業は全産業の中でも高齢化が進んでいる産業と判明した。65歳以上の割合が最も低いのは「情報通信業」の2.9%で、次いで「金融業、保険業」が5.4%、「製造業」が8.8%となっている。
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