国土強靭化に向けての予算規模はさらに上積みか、国交省予算概算要求を独自分析市場動向(1/3 ページ)

建設HRは、2022年度の国土交通省予算概算要求から見る建設市場動向をまとめた。

» 2021年09月30日 06時15分 公開
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 ヒューマンリソシアが運営する建設人材向けWebサイト「建設HR(旧ヒューマンタッチ総研)」は、2022年度の国土交通省予算概算要求をもとに、2022年度の建設市場動向を独自に予測した。

■2022年度公共事業関係費の要求額は、2021年度比118.8%

 2022年度の予算概算要求における国交省の公共事業関係費の要求額は、6兆2492億円(前年度予算比118.8%)と、2020年度とほぼ同規模になった(図表1)。2021年度の概算要求額は、前年度同額を基本とし、そのうえで緊要な経費については、別途、所要の要望を行う方針だった。そのため、要求額は5兆2579億円と2020年度よりも減少していたが、最終的に2021年度の公共事業関係費の予算額は、7兆1929億円(前年度比101.0%、補正予算込み)を計上。従って、公共事業予算の増加傾向は続いているとみられる。

【図表1 予算概算要求における公共事業関係費の要求額の推移】 出典:国土交通省「予算概算要求概要」(各年度版)より建設HR 編集部が作成

■国土強靭化のために前年度を上回る予算を要求

 国交省の予算概算要求での3本柱は、「国民の安全・安心の確保」「社会経済活動の確実な回復と経済好循環の加速・拡大」「豊かで活力ある地方創りと分散型の国づくり」であり、それぞれのテーマで建設市場に影響を与える公共事業の予算が要求されている。

 このうち「国民の安全・安心の確保」のための主な要求額をみると、「災害に屈しない強靱な国土づくりのための防災・減災、国土強靱化の強力な推進」というテーマのもとに、図表2にあるような項目で前年度予算を上回る予算を要求している。

 近年は、今までにない大雨による甚大な災害が頻発化しているとともに、地震や火山噴火といった自然災害の脅威も大きいことから、国土強靭化の必要性や重要性は高く、国交省としても重点的に予算を要求する姿勢が鮮明になっている。

【図表2 「国民の安全・安心の確保」のための主な要求額】 出典:国土交通省「2022年度予算概算要求概要」より建設HR 編集部が作成
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