大和物流は、2022年12月末の竣工に向け、広島市西区で物流施設「(仮称)広島観音物流センター」の開発を進めている。
大和ハウスグループの大和物流は2021年9月8日、広島市西区で物流施設「(仮称)広島観音物流センター」が着工したことを同日発表した。
経済産業省が公表した「2020年工業統計調査」によれば、広島県は製造品出荷額が中国・四国地域でトップと物流施設のニーズが高い。そして、大和物流では1997年7月、広島県東広島市に「広島物流センター」を開設し、主に建材や住宅設備、電気機器メーカー向けに3PL※1サービスを提供してきた。このたび、中国・四国地域でのさらなる物流需要を見込み、広島市に広島観音物流センターを開発することとした。
※1 3PL:Third Party Logisticsの略称で、荷主企業に代わる第三者として、物流を設計・提案し、包括的に受託する事業形態
広島観音物流センターは、産業団地「広島イノベーション・テクノ・ポート」内で着工し、2022年12月末の竣工を予定している。竣工後は、市街地への交通利便性を生かし、広島県を中心に、中国・四国地域に拠点を置く幅広い顧客の保管・輸配送拠点として運営する。
計画地は、広島市で交通の軸となる広島高速3号線「吉島インターチェンジ(IC)」から約3キロの場所にあり、広島市周辺への輸配送に適している。さらに、山陽自動車道「五日市IC」と「廿日市IC」から約10キロと近く、中国・四国地域だけではなく、関西、九州地域への交通利便性にも優れている。加えて、中国・四国地域でコンテナ取り扱い貨物量が最多の「広島港」から約3キロの場所に存在し、海上輸送にも対応可能。
建物は、各階の梁(はり)下有効高は5.5メートルで、1平方メートル当たりの床荷重を2.0トンとし重量物の取り扱いにも応じる。倉庫には、屋内型トラックバースにより、天候に左右されない入出荷作業を実現し、上階の保管可能面積を広く確保して、限られた敷地を活用する。
庫内の高床式ホームには、建物の搬入口と車両荷台との高低差をなくす装置「ドックレベラー」を2基完備し、海上コンテナやかご形状のキャスター付き荷役台「ロールボックスパレット」など多様な貨物を扱えるようにする見込みだ。
また、屋上の太陽光発電パネルで発電した電気を自家消費するとともに、大和ハウスグループが発電した再生可能エネルギー由来の電気を購入し、運用することを検討している。
広島観音物流センターは、S造地上3階建ての高床式で、延べ床面積は1万3875.96平方メートル。所在地は広島県広島市西区観音新町四丁目2874-169他、他2筆で、敷地面積は8403.58平方メートル。設計・施工は大和ハウス工業が担当し、稼働は2023年1月11日予定している。
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