ユアサ商事、応用地質、サンポール、キャットアイ、環境エクステリアは、冠水センサー付きボラード「冠水センサボラード」の汎用性を高めるために、車止めを必要としない道路や冠水地点から離れた場所で注意喚起を図れる新システムを構築した。
ユアサ商事、応用地質、サンポールは、冠水検知センサー付きボラード(車止め)「冠水センサボラード」を開発した。そして、キャットアイ、環境エクステリアと共同で、冠水センサボラードの汎用性を高めるために、新たなシステムを構築して、静岡県内で実証試験を2021年4月15日に開始したことを同年5月10日に発表した。
国内では、気候変動などの影響で全国的に豪雨による浸水被害が増加していることを踏まえて、サンポール、ユアサ商事、応用地質の3社は、身近な道路のボラードに冠水センサーを組み込んだ冠水センサボラードを開発し、これまでに京都府や静岡県、千葉県などで実証試験を行ってきた。
冠水センサボラードは、水があらかじめ設定した水位(30〜200ミリまで任意に設定可能)に達するとセンシングする他、関係者へのメール機能や非常灯による周囲の通行者への警告機能を備えている。
しかし、ボラードを必要としない道路や冠水地点から離れた場所に警告が必要なケースでは適用性に課題があった。さらに、これまでの一般的な道路冠水警報システムは、冠水を検知するセンサーの一部と、警告灯や情報表示板などを有線で接続するが、いずれも商用電源を必要とするものが多いことから、システム導入時には設置コストが高額になっていた。
そこで、ユアサ商事、応用地質、サンポール、キャットアイ、環境エクステリアは、冠水センサボラードと無線警告灯システムとを組み合わせることで、冠水地点から離れた場所にも浸水の危険を周知し、道路の通行者が早期にリスク回避できるシステムを開発した。
新システムは、冠水センサボラードを親機とし、親機が検知したハザード情報を遠方に設置した複数の子機が受信し、子機の警告灯を発光させることで、周囲の道路通行者に危険を知らせられる。そして、親機と子機間の通信は無線で行い、子機の電源は内蔵のバッテリーとなるため、電気工事が不要。そのため、システムの導入コストとランニングコストを減らせる。
また、新システムを用いた今回の実証実験では、警告機能の有効性や道路管理者に対する情報通知の効果について確認している。
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