大林組は、三光と開発したポリマー混和材「レジバインダー」を用いて、夏場に路面温度の上昇を抑える土系の舗装技術を開発した。
大林組は2021年7月15日、大林道路、三光と共同で、高耐久の土系舗装「オーククレーR」を開発したと発表した。
これまでの道路整備は、安全かつ円滑な通行を主な目的としているためアスファルト舗装が一般的だった。しかし、近年は周辺環境と溶け込む景観への配慮や道路の路面温度上昇による環境負荷への対応といった要望が増えているという。
そのため、土の質感により公園や街並みと調和することに加え、土の保水性で夏場の路面温度上昇を抑えられる土系の舗装に注目が集まっている。しかし、従来の土系舗装は、路面が荒れやすいデメリットがあり、歩道での適用に限定されていた。
そこで3社は、土の含水状態の影響を受けずに高い強度を発揮するポリマー混和材の「レジバインダー」を用いて、舗装材の強度を向上させ、高耐久で路面が荒れにくい土系舗装オーククレーRを開発した。レジバインダーは、変性エポキシ樹脂から成る2液混合型のポリマー混和材で、低粘度かつ低臭気のため取り扱いが容易で、濡(ぬ)れた状態の材料と混ぜても常温で硬化する特性を備える。
オーククレーRと比べると一般的な土系舗装は、広く用いられる真砂土の含水率が高まると強度が低下し、車両はもとより、繰り返しの歩行や経年劣化によっても路面が荒れやすくなる。その点、オーククレーRは、含水率の影響を受けることがなく、舗装材の強度を高く保てるため、交通量が300台/日未満の住宅地内や公園内の道路といった軽交通道路であれば問題なく適用できる。
また、オーククレーRは保水性を有するので、アスファルト舗装に比べて、夏場に路面温度が上昇するのを最大で18℃抑え、ヒートアイランド現象の緩和にも貢献する。
今後、3社は、オーククレーRを公園や歴史的な街並みの観光地などに適用し、「環境に配慮した新たな景観」の提供を目指すとしている。
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