東急建設は、タイル仕上げ外壁の改修工事向けに開発した乾式外壁被覆改修工法「プラスリム工法」を改良し、外断熱材の使用や薄型大判タイル仕上げに対応できるようにした。
東急建設は、2014年にニチアスセムクリートやYKK APと共同で開発した乾式外装システム「プラスリム工法」を改良し、外断熱へのリノベーションや薄型大判タイル仕上げに応じられるようにしたことなどを2021年3月8日に発表した。
プラスリム工法とは、劣化により仕上げ材の剥落が懸念される外壁に対して、アンカー固定したアルミ製の下地に、薄型のGRCパネル(ガラス繊維補強セメント板)をはめ込んで設定し外壁を覆い改修する乾式外壁被覆改修工法。薄型GRCパネルに特殊形状のレールを用いることで、最低約50ミリの厚さで仕上げられ、一般的な乾式による改修工法の取り付け下地と改修パネルの厚さ最大80〜100ミリと比較してスリム化できる。
今回の改良では、プラスリム工法が外断熱材を利用すると厚みが出るという課題を解消するために、納まり方法を変え、コンパクトな仕上げを維持しつつ外断熱改修に対応した。さらに、タイルに厚みがないため、接合部材や剥落防止具を用いることが難しく、剥落の危険性があり、プラスリム工法で使用することが難しかった薄型大判タイルを機械式固定方法で使えるようにし、薄型大判タイル仕上げを実現。
機械式固定方法は、貫通孔を設けたタイルにあらかじめ剥落防止金物を装着してGRCパネルを打設し、剥落防止金物とGRCパネルが定着することでタイルの剥落を防げるもので、改修工事では、小口タイルの剥落防止策として用いられる特殊なピンを採用しているため、金物が表から目立たず、意匠性も確保する。
また、従来プラスリム工法では、GRCパネルの嵌合部にわずかな誤差が生じることで、はめ込み作業に時間がかかるという問題があったが、解決策として、嵌合部にアルミ金物を打ち込みことで、スムーズにGRCパネルを取り付けられるようにし、作業効率を改善した。
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