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» 2021年05月18日 10時00分 公開

【新連載】“土木×AI”で起きる建設現場のパラダイムシフト:AIブームの潮流“土木×AI”で起きる建設現場のパラダイムシフト(1)(2/2 ページ)

[阿部雅人(土木学会 構造工学でのAI活用に関する研究小委員会 副委員長),BUILT]
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AIによる「物体検出」

AIによる物体検出の一例 提供:日本橋梁建設協会
AIによる物体検出の一例 提供:日本橋梁建設協会

 上の図は、写真の中から橋をAIで検出した例です。この橋を示している枠を“バウンディングボックス”と呼びます。このように、画像の中で、どこが橋なのかを見つけることができます。

 いろいろな応用で、画像の中から対象物を見つけるのは基本の操作になります。例えば、構造物や道路の舗装などの損傷を検出する方法としてよく使われています。

AIによる「セマンティックセグメンテーション」

 “セマンティックセグメンテーション”とは、物体検出と似ているのですが、写真の画素(ピクセル)ごとにそれが何であるかを求めるものです。上の写真にAIを適用した結果が下の結果になります。緑の部分が橋として検出された部分です。

 概(おおむ)ね橋を検出できていますが、後ろの建物も橋として検出されてしまっています。斜張橋のような橋だとタワーもありますから、橋の一部として認識されたのかもしれません。

 データを増やしたり、また、セマンティックセグメンテーションの方法も新しいものが次々と生まれていますので、それらを取り入れたりして精度を上げていくことができます。上記の検出結果では、橋以外にも、木や手すりが検出されてしまっています。

 この方法でも、構造物の中の損傷を検出するAIを作ることができます。コンクリートのひび割れを検出する方法としてセマンティックセグメンテーションが用いられることも増えています。

セマンティックセグメンテーションで検出した対象の橋 筆者撮影
AIのセマンティックセグメンテーションで検出した結果 筆者作成

著者Profile

阿部 雅人/Masato Abe

ベイシスコンサルティング 研究開発室 チーフリサーチャー。防災科学技術研究所 客員研究員。土木学会 構造工学委員会 構造工学でのAI活用に関する研究小委員会 副委員長、インフラメンテナンス国民会議 実行委員を務める。近著に、「構造物のモニタリング技術」(日本鋼構造協会編/コロナ社)がある。

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