安藤ハザマ、コンクリートダムの敷均し締固めをタブレット管理スマコン

安藤ハザマは、コンクリート打設における敷均し・締固め管理を、タブレット上でリアルタイムに実施できる「敷均し・締固め統合管理システム」を開発した。

» 2021年04月19日 08時00分 公開
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 安藤ハザマは、コンクリート打設における敷均しおよび締固め管理をタブレット上でリアルタイムに実施できる「敷均し・締固め統合管理システム」を開発した。RCD工法によるコンクリートダムや台形CSGダムでの敷均し、締固めの他、フィルダムの盛立や大型造成工事などで導入する。

 コンクリートダムや台形CSGの打設では、ブルドーザによる敷均しや振動ローラによる締固めを、複数の機械が同一エリア内で行う。敷均し厚さや締固め回数や、使用する機械の軌跡管理はGNSS(衛星測位システム)を用いたマシンガイダンスなどにより、重機オペレータが運転室のモニターで確認できるシステムが多用されているが、現場の指揮者はリアルタイムに確認できなかった。

 

ダムコンクリートの敷均し・締固め状況 ダムコンクリートの敷均し・締固め状況 出典:安藤ハザマ

 開発したシステムは、複数台のブルドーザ・振動ローラでの敷均しから締固めまでの打設状況と、それらを重ね合わせた結果をタブレット上でリアルタイムに確認できる。

タブレットによる打設エリア全体稼働状況 タブレットによる打設エリア全体稼働状況 出典:安藤ハザマ

 個別の重機を選択すると詳細な作業状況が確認できるため、作業の過不足や効率性が把握でき、その場で是正指示が行える。また、各重機に搭載したモニターから、オペレータは自身の作業状況に加え、周りの重機の状況も確認できる。

タブレット画面とオペレータ画面 タブレット画面とオペレータ画面(左:タブレット、右:重機モニター) 出典:安藤ハザマ

 転圧回数は合算でき、転圧回数が不足している箇所を見つけた場合、近くの別の振動ローラに対応を指示できる。端部や構造物周りで使用する小型振動ローラにも対応した。振動ローラを使用する全ての箇所の状況を確認できるほか、建機の自動運転も可能だ。

振動ローラの自動運転と指揮者のリアルタイムでの確認 振動ローラの自動運転と指揮者のリアルタイムでの確認 出典:安藤ハザマ

 

 実機を用いた試験では、システムを搭載した19トン級湿地式ブルドーザ2台、11トン級振動ローラ2台を同時に稼働させ、施工状況の確認を行った。その結果、試験ヤード内の全ての重機の稼働状況および個別重機の詳細な作業状況をタブレットで確認できたという。また、小型振動ローラにマシンガイダンス機能を取り付け、狭い箇所を想定した実験も完了した。

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