介護施設の入居者を遠隔で見守り可能なシステム、スタッフの省人化に貢献第7回 CareTEX東京”21

エイ アイ ビューライフは、介護施設に入居する対象者の状態を遠隔で確かめられる見守りシステム「A.I.Viewlife」を開発した。

» 2021年03月31日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]

 エイ アイ ビューライフは、高齢者の生活を支援する製品や技術、サービスが集結した展示会「東京ケアウィーク”21」(会期:2021年3月17〜19日、東京ビッグサイト)内の「第7回 CareTEX東京”21」に出展し、医療機関や介護施設の入院患者や入居者の見守りで役立つシステム「A.I.Viewlife」を披露した。

対象者の動作や職員の対応は見守りセンサーにより動画で記録

 A.I.Viewlifeは、Wi-Fiアクセスポイントなどのネットワーク機器や生体センサー、見守りセンサー、モバイル端末、モニター用PC、施設内サーバで構成される。見守りセンサーでは、対象者の映像録画や3次元距離データを用いた異常の検知に応じており、プライバシーに配慮し、映像は白黒で撮っている。生体センサーは、24ギガヘルツ(GHz)のマイクロ波で、ベッド付近に限定して、対象者の呼吸と体動に関する生体情報をセンシングし、専用のシステムに、「低い」「標準」「高い」の3段階で表示する。マイクロ波の照射距離は3メートルに及び、照射角は水平28度で、垂直70度。

A.I.Viewlifeの生体センサー(左)と見守りセンサー(右)

 モニター用PCとモバイル端末では、専用のシステムを通して、生体センサーと見守りセンサーで取得した対象者の映像や生体情報をリアルタイムに見られる。

A.I.Viewlifeの専用システムの画面

 A.I.Viewlifeのワークフローは、介護あるいは医療施設の個室に入居する対象者の転倒やベッドからの転落、うずくまりといった異常を、室内に設置された見守りセンサーが感知し、建物内のWi-Fiを介して、スタッフが携帯するモバイル端末にアラートを発信する。その後、スタッフは、モバイル端末を利用して、専用のシステムに映された対象者の映像をチェックしつつ、現場にかけつけ、対処することで重篤な事故を防げる。対象者の動作や職員の対応は、見守りセンサーにより動画で記録され、事故原因の振り返りに使える。

A.I.Viewlifeの利用イメージ

 エイ アイ ビューライフの担当者は、「A.I.Viewlifeを介護や医療向けの施設に導入することで、従業員は、現場に足を運ばず、専用のシステムで対象者の状態を確かめられるため、夜勤巡回の回数や不要な訪室を避けられる。また、見守りセンサーにより動画で録画された居室内の状況は、部屋で起きた事故の要因を患者や入居者の家族に説明する時に生かせる」と効果を語った。

 続けて、「現在、A.I.Viewlifeは、老人ホームなどの50施設で導入されており、医療機関や介護施設を建設するゼネコンからの引き合いも多い」と語った。

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