震度7の震動を30分の1に軽減する断震システムとポリウレア樹脂による部材強化の効果住宅ビジネスフェア2020(2/2 ページ)

» 2021年01月15日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]
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耐力が約12キロニュートンアップ

 高橋氏は、セミナー後半で、ポリウレア樹脂を用いた部材の強度向上について言及した。

 ポリウレア樹脂は、高強度・高伸縮で、耐衝撃性や防水性、耐摩耗性に優れる素材で、対象物の強度を高めるの役立つ。

 高橋氏の研究室では、通常のコンクリートやポリウレア樹脂を塗布したコンクリート、幅45ミリの黒いアラミド帯を装着したコンクリート、幅15ミリの青いアラミド帯を搭載したコンクリートの強度を比較する実験を行った。アラミド帯とは引っ張り破断耐力が2.5トンのアラミド繊維を素材に使用した帯を指す。

アラミド帯を装着したコンクリート(左)とポリウレア樹脂を塗布したコンクリート(右)

 実験では、ポリウレア樹脂を塗布したコンクリートに幅15ミリの青いアラミド帯を取り付けたものと、ポリウレア樹脂を吹き付けたコンクリートに幅45ミリの黒いアラミド帯を装着したものの性能も検証した。

 結果について、高橋氏は、「通常のコンクリートと比較して、ポリウレア樹脂を塗布したコンクリートは耐力が約12キロニュートンアップし、アラミド帯を取り付けたコンクリートは耐力が約2.5キロニュートン向上して、両補強を施したコンクリートは耐力が約15〜16キロニュートン上がった。しかし、いずれの加工をコンクリートに行っても、剛性の上昇は見られなかった」と述べた。

高橋氏の研究室で行ったポリウレア樹脂を塗布したコンクリートの強度検証
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