高橋氏は、セミナー後半で、ポリウレア樹脂を用いた部材の強度向上について言及した。
ポリウレア樹脂は、高強度・高伸縮で、耐衝撃性や防水性、耐摩耗性に優れる素材で、対象物の強度を高めるの役立つ。
高橋氏の研究室では、通常のコンクリートやポリウレア樹脂を塗布したコンクリート、幅45ミリの黒いアラミド帯を装着したコンクリート、幅15ミリの青いアラミド帯を搭載したコンクリートの強度を比較する実験を行った。アラミド帯とは引っ張り破断耐力が2.5トンのアラミド繊維を素材に使用した帯を指す。
実験では、ポリウレア樹脂を塗布したコンクリートに幅15ミリの青いアラミド帯を取り付けたものと、ポリウレア樹脂を吹き付けたコンクリートに幅45ミリの黒いアラミド帯を装着したものの性能も検証した。
結果について、高橋氏は、「通常のコンクリートと比較して、ポリウレア樹脂を塗布したコンクリートは耐力が約12キロニュートンアップし、アラミド帯を取り付けたコンクリートは耐力が約2.5キロニュートン向上して、両補強を施したコンクリートは耐力が約15〜16キロニュートン上がった。しかし、いずれの加工をコンクリートに行っても、剛性の上昇は見られなかった」と述べた。
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