大規模災害の発生時には、従業員の安否確認や業務担当者への緊急連絡が急務となる。同時に企業としての対応をスムーズに社内共有する手だても重要となる。インフォコムは、災害時に、コミュニケーションを滞りなく行えるシステムを開発し、大企業のBCP対策向けに提案している。
インフォコムは、第24回「震災対策技術展」横浜(会期:2020年2月6〜7日、パシフィコ横浜)で、災害などの突発的な状況下で社員との連絡を円滑にする新サービスの展示を行った。
大規模災害の発生時に企業は、従業員の安否確認や業務担当者への緊急連絡をどれだけ迅速に行えるかが求められる。また、非常時においても企業としての対外的な対応を、社内でいかに共有して全社的に取り組むかも重要となってくる。
今回、インフォコムが展示したITサービスは2種類。緊急連絡/安否確認システムの「エマージェンシーコール」と、情報管理ポータルシステムの「BCPortal(ビーシーポータル)」だ。
大規模災害が起きた際には、スピーディな被害状況の把握と関係者の安否確認が不可欠となる。インフォコムのサービスは、非常時の初期対応を混乱した状況下でも効率的に実行するのに役立つ。
エマージェンシーコールは、大規模地震などが発生した際、社員や関係者などに対して自動的にメッセージを送信するシステム。メッセージの送信先を細かく設定できるのが特徴で、連絡手段としては、PCや携帯電話に対する専用メールの他、電話(音声)、FAX、LINEなどがある。社員1人に対して最大10の連絡先を登録できるので、個人が連絡してほしいものを自由に登録できるという。
エマージェンシーコールでは、管理者が送信したメッセージに対し、受信者側が何らかのアクションをすると、それが安否確認の情報として登録される。
メールでメッセージを受け取った後は、記載されているURLや電話番号にアクセスすることで状況を報告。電話音声によるメッセージでは、メッセージの再生後に被害がない場合は「0」、被害がある場合は「1」を押して状況を知らせる。プッシュボタンでの反応以外にも、音声録音で現状を説明して残せる。
エマージェンシーコールでは、設定や災害の規模・状況などに合わせ、メッセージの送信先をグループ化する。地震の場合には、エリアや震度、連絡対象者などを設定しておくことで、必要な人だけに絞ってメッセージを送信できる。
ブースで説明にあたっていたインフォコム サービスビジネス事業本部 モバイルクラウド事業部 インサイドマーケティングチーム 原田知美氏は、「全員を連絡対象とすると、関係のない人にも連絡が入ってしまう。そうではなく、マネジャーや経営層だけに通知されるような細かく設定することができる。多様なグルーピングが可能なため、大企業でのニーズに応えられ、これまでの導入実績が多い」と紹介した。
ちなみにエマージェンシーコールの電話連絡では、相手が応答するまで最大100回まで発信を繰り返す。メールでは着信に気付かなくても、繰り返しの電話であれば、確実な安否確認につながる。
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