講演では、サービスのユースケースも3つ紹介した。いずれも働き方改革を支援するもので、本サービスが現場の労働環境を大きく変えることを示唆するものだった。
まず河合氏が例に挙げたのは、修繕周期の見直しによるコスト削減で、働き方改革を支援する手法だ。例えば、空調機器などの稼働実績をシステムに登録すると、管理者が修繕計画の見直しを行えるようになる。見直しにより、修繕計画が最適化され、修繕コストの低減が達成できるという。
2つ目のユースケースは、年度予算策定のための修繕計画見直し。クラウド上に修繕計画管理者が立案した年度予算を登録し、管理部門が参照して承認を行う。この流れでは、従来の紙ベースでの管理に比べ、管理効率が大幅に改善される。効率的な管理体制となり、管理部門や修繕計画管理者も含めた、業務効率化にもつながる。
3番目は、管理担当者の引き継ぎに関するもの。従来の属人化された管理体制では、完全な引き継ぎを行うのは困難を極めた。しかし、システム上に設備台帳と修繕計画を登録しておけば、引き継ぎがスムーズに進行する。
設備修繕計画最適化サービスは、クラウド上のサービスとして提供される。そのため、導入に際してハードウェアの手配やシステム構築は不要となる。利用には一般的なPCがあれば良く、操作はインターネットを介して行うことになる。
利用に際しては、まず標準化のルールをシステムに入力する。次に、設備台帳と修繕計画を登録する。登録に際しては、導入の支援サービスも用意されている。
画面上では、設備一覧とそれぞれの修繕計画がガントチャートで見られるようになっている。一覧表示によって、全体の修繕計画が明確に可視化される。
また、各機器の修繕計画は、マウス操作で簡単に編集が行える。仮に修繕時期が重なる場合でも、日程を調整するなどのシミュレーションも可能になる。
設備修繕計画最適化サービスは、クラウド上で稼働するシステムなので、複数拠点の担当者や管理者が同一の画面上で、修繕計画を共有できるメリットもある。
システムには、稼働実績に基づく修繕予定の計算機能や修繕計画の予算管理機能も用意されている。修繕予定の計算機能では、稼働実績を登録することで修繕予定を自動で生成。また、予算管理機能では、修理の利益を登録することで、事前の予算だけではなく、実績についても管理できる。
これらの機能を使うと、システムを単に修繕の予定を管理するだけでなく、修繕に関するノウハウを蓄積していき、次の担い手に伝達できるツールとしての活用も想定される。
なお、設備修繕計画最適化サービスでは、導入支援で100万円、初期設定30万円、ビルや工場などの面積に応じた月額の基本サービスの価格が設定されている(全て税別、支援条件により変更有り)。
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