ラストワンマイル物流の自動走行ロボット実現へ開発着手産業動向

NEDOは、物流拠点から住宅や指定地への配送、ラストワンマイル物流において「遠隔・非対面・非接触」を実現するための自動走行ロボットの技術開発に着手した。12社が参画し、全国10カ所で公道などでの実証を行う。

» 2020年11月27日 08時00分 公開
[BUILT]

 NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、物流拠点から住宅や指定地への配送、ラストワンマイル物流において、「遠隔・非対面・非接触」を実現するための自動走行ロボットの技術開発に着手した。

 自動走行ロボットの早期実用化により、非常時でも物流サービスを維持することでサプライチェーンを強靭化し、関連市場の活性化を目指す。同事業では、開発した自動走行ロボットを用いて、集合住宅や市街地、商業施設、工業地帯などで走行させる実証を11月以降順次実施し、一部では公道での実証を行う。さらに、自動走行ロボットを活用した新たな配送サービス実現の観点から、社会受容性の向上に向けた取り組みの在り方などの分析・検討を実施する。

 NEDOは、2019年9月設立の自動走行ロボットを活用した配送の実現に向けた官民協議会と連携し、事業化に向けて核となるユースケースの明確化、自動走行ロボットの仕様に関する安全性評価、自動走行ロボットの安全な運用体制の構築、自動走行ロボット活用に関する制度・法令などの検討・整備の情報を同協議会に提供する。

 同事業にはNTTドコモ、日本郵便、パナソニックなど12社が参画し、全国10カ所で実証を行う。事業期間は2020年9月〜2021年9月であり、予算は3億円、研究開発項目は「『遠隔・非対面・非接触』での配送サービスを実現するための自動走行ロボットの技術開発と配送サービス実証」となっている。

 新型コロナウイルス感染症による影響で、物流における最終区間であるラストワンマイルにおいて、宅配需要の急増や配達員の感染などによる配達員不足や配送の一時的な停滞が発生している。引き続き、ラストワンマイル物流における「遠隔・非対面・非接触」での配送ニーズ増加や配達員不足が見込まれる中、自動走行ロボットを活用した新たな配送サービスの早期実現が求められている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.