5Gを活用した次世代スマートモビリティで遠隔操作実験、テムザック産業動向

テムザックは、5Gによる次世代スマートモビリティ「RODEM(ロデム)」の遠隔操作実験をけいはんな学研都市にて実施した。ラストワンマイルの課題解決に向けて新たな移動手段として活用する。

» 2020年04月22日 08時00分 公開
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 テムザックは2020年3月18日、オムロンソーシアルソリューションズ、NTTドコモとともに、第5世代移動通信システム(以下、5G)による次世代スマートモビリティ「RODEM(ロデム)」の遠隔操作実験を、京都府のけいはんな学研都市のオープンイノベーションセンター(KICK)にて実施したことを発表した。

前後左右に映像伝送用の5G端末を付けたRODEM 前後左右に映像伝送用の5G端末を付けたRODEM 出典:テムザック

 RODEM(ロデム)とは、歩行者とほぼ同じ目線で簡単に近距離の移動ができる“乗れるロボット”だ。直感的な操作で小回りが利くため、狭い場所での方向転換もスムーズに行うことができる。道路交通法上の分類は原動機を用いる歩行補助車で「歩行者」扱いとなる。

シェアリング運用イメージ シェアリング運用イメージ 出典:テムザック

 今回の実験では、5Gの高速大容量・低遅延などの特徴を活用し、1人乗りの次世代スマートモビリティ「ロデム」の遠隔操作の有用性を検証した。ロデムの前後左右に取り付けたカメラからリアルタイム映像を伝送し、遅延時間の計測や操作性のテストなどを実施した。

実証実験概要 実証実験概要 出典:テムザック

 少子高齢化社会が進展する中、誰でも簡単に利用できる移動手段の確保は社会的な課題だ。その中でも、公共交通機関から降りた後の“ラストワンマイル”を担うモビリティのニーズが高まる一方で、機体の回収・再配置にかかるコスト面や労働力不足を解決する必要がある。

 同社はロデムをラストワンマイルの新たな移動手段として活用するために、実証実験を重ね歩道での自動運転化に向けた研究も進めているという。将来は、乗り捨てたロデムが低速自動運転または遠隔操作で戻り自動充電する仕組みを作ることで、快適な移動の実現を目指す。

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