竹中工務店は、運搬ロボットやスマートモビリティと、エレベーターを三菱電機のプラットフォームで連携させ、自律移動でビル内の縦方向への移動が可能か検証を行った。
竹中工務店は、三菱電機、ZMP、テムザックと協業して、モビリティーロボットを使った実証イベントを竹中工務店が入る大阪・中央区本町の「御堂ビル」で2019年11月21日〜12月11日の期間で開催した。
実証イベントは、1965年竣工の御堂ビルに設置されている三菱電機製人荷用エレベーターの制御盤に改修を加え、仮設置した三菱電機が提供するスマートビルを実現するIoTプラットフォーム「スマートビルサービスプラットフォームサーバ」と接続。このプラットフォームサーバを介して、LTE通信で、スマートモビリティやサービスロボットとビルのエレベーターがつながり、縦の動線でロボットが自動で移動するかを試した。
実証内容は、ZMP製の宅配ロボット「CarriRo Deli(キャリロ デリ)」を使用して、ビル地下階のカフェ・コンビニ店舗から7階の応接会議室までの飲食物の宅配と、1階メール室から7階オフィスまで書類を搬送した。
CarriRo Deliは、ZMPの自動運転ソフトウェア「IZAC」を搭載し、カメラやレーザセンサーで周囲を360度認識しながら、最高時速6キロで走行する。登坂能力は傾斜8度までで、段差は5センチまでなら乗り越えられる。最大50キロまでの積載に耐え、運搬台は1ボックス/4ボックス/8ボックスの3タイプが用意されており、運ぶ荷物の大きさや形状によって使い分けられる。
実証では併せて、テムザック製のスマートモビリティ「RODEM(ロデム)」を用い、ビル・街区のモノや人のラストワンマイルの解決、医療福祉施設などを想定したで介助レスや自律支援モビリティの可能性もテストした。
1人乗りのRODEMは、最高時速6キロで、4輪駆動で走る。搭乗者は車体に取り付けられたジョイスティックまたは、遠隔からスマートフォンで操作する。
竹中工務店は、今回の実証イベントで得られた知見を生かし、BIMとリンクさせることも視野に入れたOIM(オープン・インフォメーション・マップ)をベースに、モビリティ・ロボット群をスマートに管理する「モビリティ・ロボット群マネジメントシステム」を構想している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.