建設業における死亡者数を事故類型別に見ると、最も多いのは「墜落・転落」の110人(全体に占める割合40.8%)。2番目が「崩壊・倒壊」が34人(同12.6%)、「交通事故(道路)」が27人(同10.0%)となっており、墜落・転落事故の占める割合が際立って高い(図表5)。
労働災害による死亡者数は、直近の3年間は減少傾向であり、長期的に見ても全産業合計の死亡者数は、1989年の2419人から2019年には845人に減少(対1989年比65.1%減)。建設業の死亡者数は、1989年の1017人から2019年には269人(対1989年比73.6%減)となり、建設業では全産業以上に死亡者数は大幅に減少している(図表6)。
今後についても、従来行ってきた安全管理対策に加えて、IoTやAI(人工知能)を活用した労働災害の防止策が拡充されることで、死亡事故をさらに減少させ、安全な建設業となることが望まれる。
ヒューマンタッチ総研(所長:高本和幸)
ヒューマンタッチ総研は、ヒューマンホールディングスの事業子会社で、人材紹介事業を行うヒューマンタッチが運営する建設業界に特化した人材動向/市場動向/未来予測などの調査・分析を行うシンクタンク。独自調査レポートやマンスリーレポート、建設ICTの最新ソリューションを紹介するセミナーなど、建設業界に関わるさまざまな情報発信を行っている。
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