コロナ禍が建設技術者の需要に与えた影響は限定的、ヒューマン総研産業動向(1/2 ページ)

ヒューマンタッチ総研は、国内における建設業の人材市場動向をまとめた2020年8月分のマンスリーレポートを公表した。今月のトピックスでは、2020年上半期の建設技術者を対象にした需給動向をまとめている他、新型コロナウイルス感染症が新規求人数に与えた影響も分析している。

» 2020年08月27日 06時00分 公開
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 ヒューマンタッチが運営するヒューマンタッチ総研は、国内における建設業の人材市場動向をまとめたマンスリーレポート「ヒューマンタッチ総研〜Monthly Report 2020年8月」をリリースした。

■上期の有効求人倍率は全月で前年同月を下回り、需給は緩和傾向

 2020年上半期における建築・土木・測量技術者の有効求人倍率を前年同月と比較すると、2020年2月以降は前年同月を下回っており、低下幅は徐々に広がってきている(図表1)。6月の有効求人倍率は5.56倍で、まだ高水準にあるが、建設技術者の需給はやや緩和傾向にある。

【図表1 建築・土木・測量技術者を対象にした有効求人倍率の推移】 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」よりヒューマンタッチ総研が作成

■新型コロナウイルス感染症拡大が建設技術者の需要に与えた影響は限定的

 建設技術者の新規求人数は、東京オリンピック・パラリンピック関連の需要が一段落したこともあり、年初から新規求人数は減少していたが、4月には新型コロナウイルス感染症拡大の影響が加わり、前年同月比で17.0減にまで落ち込んだ。

 しかし、その後は急速に回復し、6月には新規求人数は同3.4減にまで持ち直しており、感染症拡大の影響は限定的だったことが分かる(図表2)。一方、長期間にわたって減少傾向が続いていた新規求職者数は、6月に前年同月比で12%増と大幅なプラスに転じた。今後も、新型コロナウイルス感染症拡大が新規求職者数に与える影響を注視することが必要だと考えられる(図表3)。

【図表2 建築・土木・測量技術者を対象にした新規求人数の推移】 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」よりヒューマンタッチ総研が作成
【図表3 建築・土木・測量技術者を対象にした新規求職者数の推移】 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」よりヒューマンタッチ総研が作成
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