内覧会終了後、リアルゲイトの岩本氏は、同社が運営するシェアオフィスについて、「2020年7月末時点で、入居社の業種を見ると全838契約のうち、情報通信業が33%、学術研究・技術サービス業が33%、卸売業・小売業が9%を占める。入居社の従業員数を分析すると、全体のうち、従業員数1〜5人が64%、6〜10人が13%、11〜20人が8%の割合となり、全体の80%以上が小規模事業者。入居社の設立年数は、全体のうち、創業1年未満が16%、2〜3年が20%、4〜10年が36%、11年以上が28%を占め、全体の70%以上が創業10年未満のスタートアップだった」と説明した。
シェアオフィスの商品構成について、岩本氏は、「契約中の600区画における貸付面積をチェックすると、平均は67.94平方メートルだった。また、最小区画は6.6平方メートルで最大区画は741.12平方メートルに及び、貸付面積21〜50平方メートルのシェアオフィスが全体の40%以上を占めた」と話す。
コロナ禍における入居テナントの状態について、「当社で行ったアンケートによれば、入居者の約50%が“コロナの影響を一部受け、長引けば厳しい状況になる”と答え、約30%が“甚大な影響を受け、厳しい”と回答した。また、入居者の90%以上がリモートワークを導入していることも分かった」と明かした。
今後のオフィスニーズについて、「コロナ禍で、働き方が大きく変わり、オフィス全体の需要は減ると考えている。都心5区(千代田区、中央区、港区、渋谷区、新宿区)の空室率は2020年7月時点で2%強に上がっているが、大型オフィスの解約が6カ月以上かかることを考慮すると、オフィス稼働率の低下は2020年末から2021年までに加速していくと見込んでいる。オフィスの需要が全体的に減退していく一方、オフィス供給率は増加するため、空室率は上昇し、賃料は下落することが予想される。厳しい市況の中で、建物全体の構造や共用部のデザイン、専有部の仕上げ、賃貸方法を工夫するなど、独自の強みを持つ不動産会社のみがオフィスの高稼働と高賃料を保てると想定している」と語った。
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