新型コロナの建設雇用への影響は、“リーマンショック”と比べ上回るか?ヒューマン総研産業動向(2/2 ページ)

» 2020年10月08日 12時00分 公開
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建設業ではコロナショック以降も、慢性的に人手不足が続く

 建設技術者の新規求人数についても、2008年は17.2%減。2009年は22.1%減と落ち込んだが、2020年1月から7月までの平均の新規求人数は、同9.4%減であり、リーマンショック時よりも減少率は低くなっている(図表4)。

【図表4 建設技術者の新規求人数の推移】 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」よりヒューマンタッチ総研が作成 ※2020年は1〜7月の平均

 ヒューマンタッチ総研所長の高本和幸氏は、「2020年1〜7月までの建設業及び建設技術者の新規求人数からみると、新型コロナウイルス感染症拡大は、リーマンショック時ほどには、建設業の人材需要の低下をもたらしていないことが判別した。その主たる要因は、建設業が慢性的に人手不足の状況にあることが考えられる。建設業の就業者数は、リーマンショックで54万人減少し、その後、東日本大震災の復興需要や景気の回復によって建設工事量が増加しているにもかかわらず、建設業の就業者は増加しておらず慢性的に人手不足の状況にある」(図表5)。

 また、「働き手となる生産年齢人口は、2009年の8149万人から2019年には642万人にまで減り、7507万人となり、今後も減少が続くと推計されていることを踏まえると、建設業における人手不足の状況は、コロナショック後もしばらくは続くのではないか」と分析している。

【図表5 建設工事出来高と建設業就業者数の推移】 出典:国土交通省「建設総合統計」、 総務省「労働力調査」よりヒューマンタッチ総研が作成
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