フライホイール蓄電システムFlystabを共同開発、電力系統を安定化産業動向

日本工営は、独STORNETICと長寿命・高速充放電の量産型フライホイール蓄電システムFlystabを共同開発した。またFREAと共同で、模擬マイクログリッド環境での実運用を想定した動作試験を実施した。

» 2020年09月28日 08時00分 公開
[BUILT]

 日本工営は、福島県再生可能エネルギー関連技術実証研究支援事業補助金を活用し、独STORNETIC(ストルネティック)と量産型フライホイール蓄電システム「Flystab」を共同開発した。この度、小容量から大容量まで幅広い用途に拡張性を有する蓄電システムとして、製品化に成功した。

FlystabR外観 FlystabR外観 出典:日本工営

 フライホイール蓄電システムとは、円盤(フライホイール)を電力で回転させて電力を運動エネルギーとして蓄え(充電)、必要に応じて運動エネルギーを再び電力に変換(放電)する機械式蓄電システムだ。リチウムイオン電池などの化学反応を利用した電池に比べ、長寿命で充放電が高速だとして注目されており、機械式で環境に優しい。

FlystabR内部(緑の円筒がフライホイール) FlystabR内部(緑の円筒がフライホイール) 出典:日本工営

 さらに、日本でも再エネ導入が進むと電力の安定供給のために蓄電システムが重要になる。現在主流のリチウムイオン電池などは比較的安価であるが、充放電を繰り返すと寿命が短くなるため、同社は、長寿命・高速充放電が特徴のFlystabと既存の蓄電システムをハイブリッド化した新たな蓄電システムを開発した。

 また、ハイブリッド蓄電システムを制御するEMS(エネルギー管理システム)も自社開発し、国立研究開発法人産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所(FREA)と共同で、模擬マイクログリッド環境での実運用を想定した動作試験を実施した。本試験により、周波数変動の短周期部分をFlystabが吸収することで、リチウムイオン電池などの充放電電流・回数を大幅に低減できることを検証した。

模擬マイクログリッド試験室風景(FREA) 模擬マイクログリッド試験室風景(FREA) 出典:日本工営

 フライホイールを用いた電力系統向けの蓄電システムの試験は、国内でほとんど実施例がないが、欧米では周波数調整市場やマクログリッドにおいて利用されている。同社は今後、本蓄電システムを国内およびアジア諸国を中心に事業展開し、低炭素・循環型社会への形成に貢献していく。

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