日立システムズのドローン点検サービス、AIで「ひび」「さび」を検出する新機能ドローン

日立システムズが土木向けに提供している構造物のドローン点検サービスに、AIを活用したひびやさびなどの損傷箇所を自動で検出する新機能が追加された。点検結果のレポート出力にも対応しており、これまで3日は掛かっていた報告書の作成が半日に短縮できるという。

» 2020年09月25日 06時00分 公開
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 日立システムズは2020年9月8日、ドローンの操縦や撮影代行、撮影した画像の加工と診断、データの保管・管理、業務システムとのデータ連携をワンストップで支援する「ドローン運用統合管理サービス」を拡充し、同日から提供を開始すると発表した。

ひびやさびをAIで検出し、レポート出力

 日立システムズのドローン運用統合管理サービスは、国が目指す3Dデータを活用した業務効率化に追従し、2次元画像から構造物全体の3次元モデルを生成し、構造物の劣化箇所の位置関係をひも付けて管理する「3次元管理台帳」や「AIによる損傷箇所の抽出」などをサポートしている。

 今回の主な強化項目は、ドローンで撮影した複数枚の画像を集約した構造物全体の画像データの生成、ひびの長さや幅の自動計測、さびの自動検出、損傷図のレポート作成。これにより、点検後の診断や報告で、従来は画像1枚1枚から損傷箇所を確認し、手作業で行っていた損傷図の作成工数が削減されるため、点検業務の効率化が見込まれる。とくに損傷図の作成は、ドローンで撮影した大量の画像から、作業員が手作業で“ひび“割れなどの損傷箇所を確認するなど、点検作業後にも多くの時間を費やしており、正確に効率よく作業できる仕組みが求められていた。

今回強化した「ドローン運用統合管理サービス」のイメージ 出典:日立システムズ

 具体的には、ドローンが構造物を撮影した部分画像をもとに、それぞれの画像に生じるゆがみなどを補正しつつ、全体画像を自動合成する。AIで、全体画像からひびの長さや幅を自動的に計測したり、さびを自動的に検出したりする。また、画面上の損傷結果に対して、クラックスケールを表示することで、任意の大きさに拡大・縮小して詳細に確認することも可能で、検査結果は最終的にExcel形式でレポート出力することにも対応している。

 日立システムズのドローンサービスを導入することで、点検結果として提出する損傷図の作成が容易となり、点検業務全体の効率化につながる。日立システムズの調査結果では、点検後の報告書作成に2〜3日要していた作業工数を半日に短縮する効果が得られるという。

 サービスの利用料金は、通常利用モデルが月額10万円から。スモールスタート利用モデルは月額5万円からで、構造物の全体画像を生成する枚数は月300枚までやストレージ容量100GB、損傷検出する画像ファイル容量は月500MBなどの利用制限がかかる。

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