ヒューマンタッチ総研は、2021年3月期第1四半期決算のまとめと今後の市場予測を公表した。レポートでは、総合工事業と管工事業で厳しい決算となった一方、土木工事業は比較的好調な決算となったとしている。
ヒューマンタッチが運営するヒューマンタッチ総研は2020年8月31日、総合工事業(ゼネコン)、土木工事業、電気設備工事業、管工事業、プラント・エンジニアリング業、住宅・不動産業の6業種で分析した2021年3月期第1四半期決算から見る市場動向をリリースした。対象企業は、各業種の主要上場企業10社で計60社。
総合工事業(ゼネコン)の売上高は8社が前年同期を下回り、このうち6社が純利益ベースで減収減益となった(図表1)。10社合計では、売上高は前年同期比11.8%減、営業利益が同19.7%減、経常利益が同18.5%減、純利益が同29.8%減となっており、高水準だった前年同期と比較すると非常に厳しい結果となっている。
今期の業績は、東京オリンピック・パラリンピック関連需要が一段落して、需要の端境期になることに加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、8社が減収・純減益と予想しており、減少率も他の5業種と比べて広がっていることから、厳しい経営環境にあることがうかがえる。
土木業の売上高は、6社が前年同期を上回り、このうち4社は増収・純増益(図表3)。10社合計の売上高は前年同期比2.8%増、営業利益は同127.6%増、経常利益は同106.7%増、純利益は同7.8%増で、前年同期を上回る高い水準となった。
今期の業績予想は、公共投資による土木工事は堅調に推移すると見込まれることから、5社が増収と予想しており、工事量の面では安定した経営環境にある(図表4)。ただし、純利益については、9社が前年割れとしているため、利益面では厳しい状況が見込まれる。
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