大成建設は、地中土木構造物の後施工耐震補強工法である「ポストヘッドバー工法」を、建築構造物の耐震補強工事にも積極展開するため、都市居住評価センターの構造評定を取得した。
大成建設は、地中土木構造物の後施工耐震補強工法である「ポストヘッドバー工法」を、建築構造物の耐震補強工事にも適用可能とするため、都市居住評価センターの構造評定を取得した。建屋地下の基礎版や、大型発電所施設などの建築構造物の耐震性向上に対しても幅広く適用可能となる。
同工法は、壁などの部材のせん断耐力を向上させる耐震補強工法だ。鉄筋コンクリート造の既設地中土木構造物の内側から特殊ドリルで削孔(さっこう)を行い、専用モルタル充填後に「ポストヘッドバー」を挿入し、躯体と一体化を図る。
ポストヘッドバーの両端部の突起により、抜けにくく、定着性しやすくなるため、せん断補強効果が確保される仕組みで、施工スペースに制約がある狭い空間でも、機械式接手型ポストヘッドバーの使用により容易に施工可能となる。
昨今、大型発電所施設などの建築構造物においても、地震被害による耐震設計指針の見直しにより、耐震健全性の確保が要求されている。そのため、地中土木構造物と同様に内側空間からしか補強工事ができない建屋地下の基礎部分などには、ポストヘッドバー工法を用いた耐震補強は有望な工法であり、今回の構造評定取得により、建築構造物の耐震性向上に対しても幅広く適用することが可能となった。
同社では、地中土木構造物を対象に、施設を供用しながら耐震補強工事が可能な工法として実用化してきた。2020年4月1日の時点で、施工件数:854件、せん断補強鉄筋の施工本数:約137万本の実績を有している。
今後は、部分的にせん断耐力の不足が懸念されるような、基礎版や地下外壁などを有する大型発電所施設などの建築構造物に対して、同工法を積極的に提案していく。
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