沖電気工業は、「メンテナンス・レジリエンス OSAKA 2020」(2020年7月29〜31日、インテックス大阪)内の「インフラ検査・維持管理展2020」で、光ファイバーや加速度センサーを用いたインフラ構造物のモニタリングシステムをPRした。OKIは、インフラ構造物を対象に、光ファイバーや加速度センサーを用いた用途ごとのモニタリングシステムを展開している。
沖電気工業(OKI)はメンテナンスと国土強靭化(ナショナル・レジリエンス)をテーマに掲げる総合展示会「メンテナンス・レジリエンス OSAKA 2020」(会期:2020年7月29〜31日、インテックス大阪)内の「インフラ検査・維持管理展2020」に出展し、光ファイバーセンサー「WX1033」によるインフラ構造物のモニタリングシステムと、建造物の健全度を監視する「無線加速度センサーシステム」を披露した。
WX1033を用いたモニタリングシステムは、橋梁(きょうりょう)や橋脚、トンネル、盛土などのインフラ構造物に光ファイバーを埋め込み、光ファイバーを介して広範囲にひずみや温度を測定する。構造物に生じた細部の変状や軽微な損傷をスクリーニングすることで、予防保全や品質向上、老朽化と災害対策に役立てられる。
WX1033は、最大2方向それぞれ5キロずつ光ファイバーを通して構造物をセンシングでき、1秒周期でひずみと温度を1メートル単位で測れる。光ファイバーは軽量で、防水、防爆、電磁耐性といった機能を有し、定期的なメンテナンスも不要。
システムを導入することで、インフラ構造物の施工時に定量的なデータの取得が容易になるとともに、点検で得た情報と比較することで、変状を発見できるようになる。モニタリングは、ネットワークを介して、遠隔地でも行える。将来的にはAIを活用し、トラブル発生時に自動でアラートを発する機能の追加も見据えている。
無線加速度センサーシステムは、使用するセンサーが電池駆動のため、電源が無いスペースにも設置可能。センサーは、920MHz帯無線ネットワークを採用しており通信距離が長く、無線マルチホップ技術で、アクセスポイントを経由して、収集したデータを遠隔地に送れる。
センサーが得たデータは、専用のシステムでピーク周波数を検出し、斜面の地すべりや支柱の異常による傾きといった変化を検知。例えば、橋梁のボルト緩みと亀裂で起こった劣化や傾きの発生を瞬時に知ることができる。クラウド上のシステムと連動することで、場所を選ばず構造物の異常を確かめられる。
OKIの担当者は、「加速度センサーが内蔵した電池は1日1回のデータ送信であれば、5年間作動する。加えて、加速度センサーは、当社が販売する“ゼロエナジー水位計”と接続して運用することで、ゼロエナジー水位計のソーラパネルから電力が供給されバッテリー切れしなくなる」と説明した。両製品は現在開発中で、実証試験を重ねて効果を検証している。
総力特集:
メンテナンスと国土強靭化(ナショナル・レジリエンス)に焦点を絞った建設総合展「メンテナンス・レジリエンスOSAKA 2020」が2020年7月29日、インテックス大阪で開幕する。
コロナ禍の中で、ひさびさとなる建設展の開催となった本展では、インフラ検査・維持管理をはじめ、建設資材、防災・減災、i-Construction、労働安全衛生など、最先端の資機材やサービスが一堂に会する。特集ページでは、会場でのブース取材やセミナーレポートで、インフラの最新テクノロジーや市場動向を紹介する。
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