三井不動産が開発した複合施設「日本橋室町三井タワー」が、「CASBEEウェルネスオフィス認証」でSランクを取得した。建物内に設置された健康増進施設や独自のプログラム、BCPに配慮した高効率なエネルギー設備が評価された。
日本橋室町三丁目地区市街地再開発組合と三井不動産は2020年5月28日、東京都中央区で、2019年3月に竣工した複合施設「日本橋室町三井タワー」が、「CASBEEウェルネスオフィス認証」(以下、CASBEE-WO認証)の最高位であるSランクを取得したことを発表した。
これまでに、CASBEE-WO認証を受けた賃貸オフィスビルの中で最高スコアである92.0点を獲得したことも明かされた。なお、今回の認証は、日本橋室町三井タワーの共用部と三井不動産オフィス部分(8〜12階)が対象となった。
CASBEE-WO認証は、建築環境・省エネルギー機構(IBEC)が2019年に策定した認証制度「CASBEEウェルネスオフィス評価認証」の認証タイプの一つで、従業員の健康や快適性を維持、増進することを目指したオフィスの取り組みを査定する。
日本橋室町三井タワーが、同認証でSランクを取得した背景には、建物内に設置された健康運動促進施設「mot. 三井のオフィス for Tomorrow / Mitsui Office for Tomorrow(以下、mot.)」と健康促進プログラム「&well」の採用がある。
mot.は、貸会議室や個室、無料のカフェ、フィットネスジム、メンバーズラウンジなどを備えたテナント企業向けの会員制施設で、建物内で働く従業員が、仕事の前後で運動を行え、サウナやシャワーを利用してリフレッシュもできる。
&wellは、建物内で働く従業員向けの健康促進プログラム。ビル内の各施設と専用アプリとを連携活用し、イベントやセミナー、歩数対抗戦など楽しみながら習慣化できる内容を提供。人事担当者へのレポートとも併せて、企業における従業員の健康管理施策を支援する。
さらに、ガスコージェネレーションシステム(CGS)を中心としたエネルギー設備が配置されていることも評された。同設備は、ガスを燃料にして発電した電力と系統電力を混合し電気を供給するとともに、発電時に発生する熱も冷暖房や給湯などに活用されるため、エネルギー効率に優れている。
CGSは、災害時にも使える中圧ガス導管を用いて発電しており、広域停電時にも建物の運用に必要な電気の供給が可能なため、BCP(Business Continuity Plan)に貢献する。
この他、日本橋室町三井タワーは「CASBEE-建築」の自己評価登録も行っており、省エネにつながる外皮と設備性能が認められ、「CASBEEスマートウェルネスオフィス認証」でも認定された。
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