三井不動産は、再開発プロジェクト「日本橋再生計画第2ステージ」の旗艦プランに位置付けられている大規模複合ビル「日本橋室町三井タワー」を活用した商業施設「COREDO室町テラス」を開業。これにより、同社の日本橋における再開発が大幅に前進した。
三井不動産は2019年9月27日、東京都中央区に商業施設「COREDO室町テラス」をオープンした。
COREDO室町テラスは、2019年3月28日に竣工した日本橋室町三井タワーの地下1階、1階、2階から成る商業施設。“価値ある時間を、過ごす場所。”をコンセプトに、全31軒の店舗や交流の場として設置された1500平方メートルの「大屋根広場」などで構築されている。
全31軒の店舗のうち、とりわけ関心を集めているのが国内初進出となる台湾発のカルチャー体験型ショップ「誠品生活 日本橋」。誠品生活は台湾で書店として創業し、書籍だけでなく、雑貨なども販売する複合型の店舗として発展してきた。
誠品生活 日本橋は建物の2階に位置し、「誠品書店」「誠品文具」「セレクト物販・ワークショップゾーン」「レストラン・食物販ゾーン」の4エリアで構成され、13のショップを店内に配置している。誠品生活がピックアップした書籍が並ぶ他、台湾製が半数を占める100ブランドの商品が販売される。13のショップのうち、菓子店「郭元益(グォユェンイー)」や漢方ライフスタイルブランド「DAYLILY」、台湾茶を用いた香水ブランド「P.Seven 茶香水」、台湾料理を扱ったレストラン「富錦樹台菜香檳(フージンツリー)」、台湾茶の専門店「王徳傳(ワンダーチュアン)」の5店は国内初出店となる。
空間デザインは、中国製鋼本社の設計などを手掛けた台湾を代表する建築家の姚仁喜(クリス・ヤオ)氏が担当。ヤオ氏は1805年頃の日本橋が描かれた絵巻物「熈代勝覧」の内容から着想を得て、「古今が交わり、新旧が溶け合う」をコンセプトに、店舗空間をデザインした。
店舗のデザインは、フレームとのれんを用いて幾何学的な演出を試みたという。室内の回廊は、上から見ると「口」や「回」の字のように四角形になっており、等間隔にスチール製のフレームが連なるように設置してある。フレームの外枠には木調の意匠を施し、落ち着きとぬくもりを表現している。
フレームには現代日本工芸の技術を取り入れた照明を付けるとともに、部屋の各所に藍色ののれんを飾ることで、江戸時代の街並みをイメージしている。また、回廊の4隅には、オリジナルデザインの4色の九宮灯(四角い枠で囲ったような行燈照明)を置いている。この九宮灯には、台湾の著名な書家の董陽孜(ドン・ヤンズー)氏が、四季を表す松尾芭蕉の俳句を描き、季節の移ろいの壮大さを描写しているという。
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