記者発表会の後半は、新会社立ち上げの理由について触れた。新会社発足は、ドローン市場の急激な拡大や新制度への対応を強化するため、ミライト・テクノロジーズのドローン事業部が多様なパートナー企業との協業により、高度な技術を保持したことが背景にある。インプレスの資料などを用いて、ドローン市場の成長予測や近年のドローンに関する法制度の変更を紹介した後、同社がパートナー企業とのアライアンスで有したテクノロジーを説明した。
インプレス総合研究所の調査によれば、ドローン市場の規模は2025年に4425億円になり、2019年の608億円と比較して7倍以上になる見通しだ。全体のうち、点検分野は1625億円で、土木建設のカテゴリーは245億円。
市場が拡大する一方で、ドローン関連の新制度としては、2019年7月26日からドローンを飛行させる場合は、ドローン情報基盤システム(FISS)で飛行予定情報の入力や周辺のフライト計画を参照することが義務化された。今後も機体の登録や技能証明制度の導入が予期されており、ドローンサービスを安定的に供給するためには、法制度の変化に応じ、有資格のドローンパイロットを社内に置く必要がある。
そのためにミライト・テクノロジーズは、パートナー企業との提携で、飛行計画の作成から取得したデータを解析した結果の管理まで、各工程での技術を確立した。NTTデータとは3Dマップ上で自動航行のルートを決められるシステム、NTTテクノクロスとは構造物の経年劣化を調べられるシステムをそれぞれ作り上げた。
ミライト・テクノロジーズがパートナー企業との提携により、飛行計画の作成から取得したデータを解析した結果の管理まで、各工程で役立つ技術を保有した。2つ例を挙げると、NTTデータとは3Dマップ上で自動航行のルートを決められるシステムを作成し、NTTテクノクロスとは構造物の経年劣化を調べられるシステムを作り上げた。
記者発表会で、新会社の強みについて、ミライト・テクノロジーズ ドローン事業部 事業部長 佐々木康之氏は、「パートナー企業とのテクノロジー共有や多様なセンサーをドローンに取り付けられるため、ユーザーのさまざまなニーズに応えられる。ドローンパイロットも155人を雇用しているので、国内55カ所の拠点から、全国での点検や測量のサービスが展開できる」と述べた。
加えて、「ミラテクドローンは、今後アライアンスパートナーと協力して、高精度GNSS測量、短距離広帯域伝送、画像差分解析を実現する技術の保有を目指す」と付け加えた。なお、佐々木氏は、ミラテクドローンの代表取締役社長に就任予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.