ミライト・テクノロジーズは、注力しているドローン事業で、事業領域を拡大する初弾として、建設機械のコマツと業務提携した。コマツが5月から提供を開始するドローン測量サービスで、パイロット育成や全国の広域ネットワークを活用した運航代行などで全面サポートしていく。
ミライト・テクノロジーズは2018年4月18日、全国規模でドローンサービス事業者を対象に広域運用サービスの提供を開始したと発表した。第1弾として、コマツとドローン事業で業務提携し、同社が同年5月からサービスを始めるドローン測量「EverydayDrone」の運用を全面的にサポートする。
同日、都内で開催された記者発表で、ミライト・テクノロジーズの高畠宏一社長は、ドローン広域運用サービスについて、「2017年10月にドローン事業部を発足させ、ドローンパイロット育成サービスや全国の各県域に運用拠点を置いた広域運用ネットワークを展開している。同時期に自社のスクールも立ち上げ、ミライトグループ内でも、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の認定パイロット育成を進め、3月末時点で189人のライセンス保有者を確保した。今後は、パートナー企業とのネットワークを生かし、測量や建設だけでなく、現在検討段階にある防災をはじめ、農業、観光などの分野で、多様な企業とのアライアンスを図り、多様なドローンサービスを提供していく」と事業戦略を説明した。
インプレス総合研究所によると、ドローン市場は2017年度に503億円、2018年度に860億円、2020年度には2倍超の1753億円にまで拡大すると予測されており、機体や周辺システムよりも、サービス事業の大幅な拡大が見込まれている。ミライト・テクノロジーズではドローン事業で5年後に10億円の売上高を見込み、ドローン運用広域サービス単体で3億円の売上目標を掲げている。
同社ではドローン事業を開始するあたり、ドローン運用拠点とパイロットの育成・維持が不可欠と認識しており、これを解決するドローンパイロット育成スクールを神戸と熊谷に開設。ここで年度内に300人のパイロットを育成させて、通信建設会社を中心としたパートナー企業との連携で、日帰り業務が可能な範囲の各県域に1カ所のサービス拠点を設置していくという。
ドローン事業部の本田信夫部長は、パイロット育成体制の他社との違いを「スクールでは、GPS電波の届かないようなさまざまな自然環境の条件下で実技訓練ができる。当社が電柱建設工事などを担う通信建設会社である経験から、飛行区域の周辺住民との折衝業務やKY(危険予知)、道路使用許可の申請方法など、保有する知見を活用した実践的な講習が学べる」と語った。
実際に提供するサービスは、エンドユーザーが直接操作する場合の導入研修、機体のデリバリー、メンテナンスに加え、人口集中地区(DID)での飛行で国への申請が必要な際などの運航代行の各業務を行う。コマツにはこのうち機体デリバリーを除く業務でサポートする。
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