前田建設主催のWebコンペの第1回テーマは「新型コロナ」、最優秀賞は発熱者の自動検出システムなど第1回 ICI INNOVATION AWARDS Live Vol.1(4/4 ページ)

» 2020年06月01日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]
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料理を遠隔でつなぐ飲食店向け新サービス

 シティーデジタルは、「食のパラダイムシフト 離れていても深まる絆」と題し、飲食店が料理やサービスを顧客に届けられるサービスをプレゼンテーションした。サービスは、セントラルキッチンの賃貸や料理の輸送手段、テレビ会議システムなどから成り、顧客が自宅に居ながら遠隔地の友人や料理人とテレビ会議システムを介して、会話しながら配達された料理や飲み物を楽しめる。

 利点には、外出が難しい高齢者が会話を行える場の創出と、遠方に単身出張の会社員が家族と話し合いながら、料理を味わえるなどがある。

サービスのメリット

 「オーナーは、飲食スペースや給仕する従業員が不要となるためコストカットが行え、料理の素材に費用を投じ、顧客の満足度を上げられる」(シティーデジタルの担当者)。

 価格については、「セントラルキッチンの家賃を安めに設定し、顧客から売上の一部を手数料としていただく形態を考えている。飲食店のオーナーが、初期費用を大きくかけずに、事業に参入しやすいサービスとしたい」と述べた。

 現在、意匠性が高い食器や顧客の誕生年月に製造したワインの配送といったさまざまアイデアを立案しており、サービスに実装が可能か検討している。

サービスに実装予定のアイデア
サービスの現状とシティーデジタルの構想

テレビ会議の実態を可視化

 JSIC Research Groupは「チームワークの可視化による知的生産支援サービス」をテーマに、テレビ会議の実態を可視化するサービスを解説した。

 サービスは、テレビ会議システムのツールで取得した発話パターンや表情と発言のデータに加え、JSIC Research Groupの知見をベースに、発言が多かったメンバーや不機嫌な表情をしていた参加者などの状況を記したレポートを自動作成する。

 報告書を参加者が閲覧することで、それぞれが自らの行動を振り返られるとともに、管理者が内容を確認すれば、チームワークの評価や改善のアドバイスに使える。同社ではレポートを解析するコーチの派遣サービスも構想している。

システムが作成するレポートのイメージ
レポートの活用イメージ

 「これまで、大半の会議では声の大きい人や地位の高い人ばかりが声を発し、他の出席者が顔色を伺(うかが)うケースが多かった。上下関係や部署間の争いなどが原因で、意見を出しにくいなどの問題もあった。また、従前の会議状況を見える化するシステムは、出席者がセンサーを装着しなければならないといった手間がかかる上、センサーの質に左右される問題があった」(JSIC Research Groupの担当者)。

 2021年にシステムをリリースする見込みで、同社は現在、主催のワークショップなどで、生産性の高いチームについて検証し、システムの開発に力を注いでいる。JSIC Research Groupの担当者は、「ICI総合センターには、会議での試験導入やシステムをサービスとして販売する会社設立のノウハウに関するサポート、資金援助に期待している」と語った。

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