当社では、この機能を使って、ベトナムや中国などの子会社と連携し、意匠・構造が連携した形で、Revitのモデル作成・図面作成などを行っている。意匠・構造はリンクした形で進められるので、常に整合性を確認しながら作業を進めることができる(設備も機能的に可能ではあるが、当社では、Revitの実務活用は2020年4月からとなる)。他にも、クラウド上での指摘事項の指示と修正や、干渉部分のチェックなど、BIMを進めるために必要な機能がどんどん開発されている。
将来はBIM 360を設計・施工のワークフローに採り入れて、BIMによるメリットを見いだせるようにしようと考えている。クラウドをベースにした業務は効率的なだけでなく、今回のようなテレワークに向いた業務であることは間違いない。
解析・シミュレーション技術も年々著しい進化を遂げている。環境シミュレーションという会社では、CFD(流体解析)の技術をベースに、外部の風や換気・室内の温熱環境などの解析を受託したり、ソフトとして販売したりしている企業だ。ユニークなのは、さまざまな災害に対しても、起こりうる多種多様な状況を解析で「可視化」することだ。
東日本大震災の時には、“津波解析”の開発に取り組んでいた。津波をシミュレーションし、被災状況や建物に与える影響などを解析する。
さらに、台風19号では、強風で屋根が飛ばされた家屋の原因を解明し、京都アニメーション放火殺人事件では、なぜ瞬く間に火が回り、多くの犠牲者が出たかを解析した。
また、新型コロナウイルス対応では、咳によって呼気がどこまで広がるのかを解明している。咳をすると、0.3秒後には目の前の人には呼気が当たるので、もし咳をしたのが感染者であれば、2次感染する恐れがあるという。
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