竹中工務店は、建設現場での人手不足の解決を目指して開発した人や高所作業車などの位置を記録し、管理業務を効率化させるアプリ「位置プラス」シリーズの本格販売に乗り出す。将来は、現場の位置情報を取得できる特性を生かして、BIMとの連携も視野に入れる。
竹中工務店は、全国の建設会社と協力会社を対象に、建設現場で働く職員や作業員の業務時間を削減し、生産性向上に貢献するアプリ「位置プラス」シリーズの外販を本格化させる。
位置プラスシリーズは、2019年6月にグループ会社の朝日興産を通じ、レンタル会社を窓口にして販売を開始。今回は、新たにレンタル会社2社が加わり、全国向けに強固な販売及びサービス体制を構築した。
シリーズのうち対象となるのは、職員や高所作業車の位置を探索する「位置プラス探(たん)」、撮影した写真の位置をデジタル図面上に自動でひも付けできる「位置プラス写(しゃ)」、高所作業車の予約管理を行える「高車予約」の3つ。位置プラス探は、BLE(Bluetooth Low Energy)ビーコンを用いた発信機を建設機械や仮設照明に取り付けることで、作業所員の現場巡回時に、携帯端末から自動で建設機械の位置情報を収集する。送られた位置情報は、端末の作業所内平面図に映し出される。
位置プラス写は、撮影した工事写真をデジタル図面上で自動的にプロットして一括管理するアプリ。工事写真は撮影位置、撮影日時、撮影者名、撮影時に入力されたコメントなどの情報と合わせ、サーバ上に保存されるため、写真データを現場内でリアルタイムに共有。アプリを建設現場へ導入した結果、作業指示にかかる時間が従来のデジタルカメラと紙図面を用いて行う方法と比べて43%、市販されている図面管理用の野帳アプリを利用する場合と比較して33%削減するという。
3つ目の高車予約は、高所作業車の利用や予約状況をリスト形式で閲覧することができるため、いつでもどこでも最新状況を把握。位置プラス探の位置認識を活用すれば、作業場の近くにある高所作業車をデジタル図面上から予約することもできる。
竹中工務店では、現場へ適用した結果、高所作業車の予約/配車/返却にかかる時間を約70%削減。さらに、空車が可視化されるため、遊休高所作業車の返却を行い、延べ借入台数を約15%抑えることにつながったとしている。
今後の展開については、3アプリに大幅な機能を拡充する他、位置情報を取得できる位置プラスシリーズの特徴を生かし、アプリで取得した各情報をBIMへ出力する連携機能も予定している。
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