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» 2020年02月26日 06時05分 公開

Autodesk University Japan 2019:【限定全公開】3.11復旧工事など災害対応で活躍したCIM、岩手・地方建コンの奮闘 (2/6)

[湊日和,BUILT]

東日本大震災復興関連業務でのCIM活用

 2016年には、東日本大震災復興関連の橋梁詳細設計業務でも、CIMを活用した。藤原氏は、「私どもはもともと製造業の設計者。既成概念に捉われず目的に応じ、適材適所でソフトを選択し、より良い3Dモデルの作成を日々心がけている」と語り、このプロジェクトで、構造物の3Dデータ化に、建設業と製造業の3DCADソフトを併用したことを述べた。

ドローンによるデータ取得や完成後をイメージした3Dモデルを作成

 手順は、まず国土地理院の地図とドローンの空中写真測量から得られたデータに基づき、現況地形を3Dモデル化。次に、橋梁や付近の道路、近傍(きんぼう)橋の3Dモデルを作成し、これらを統合。3D化した現況地形の中に架けられた橋梁の3Dモデルを使って、上部工の桁(けた)について塗装色の検討を行うなど、景観をシミュレーションした。

 施工計画の可視化では、「当初の施工計画は、現況写真を加工した資料を使用していたが、地元漁業の協議で分かりづらいと指摘された。そのため、作成中だった橋梁や現況地形などの3Dモデルを統合したものに施工部材を追加し、資料として活用した。河川に対し何がどのように架設されるのかが分かりやすくなり、協議で関係者間の早期合意形成を図ることができた」(藤原氏)。

施工計画の可視化や構造物の詳細な3Dモデリングを実施
施工計画をシミュレーション

 完成した3Dモデルは、現状と竣工後のイメージをさまざまな視点で見られるため、2D図面では理解しにくい箇所も分かりやすくなった。3Dモデル上で塗装の色を変えられ、デザイン検討も簡易になったという。

 排水装置や外灯、スラブドレーン、高欄(こうらん)、横構(よここう)、ジャッキアップポイントなど、設計で懸念していた部材に関しても、詳細にモデリングした。藤原氏は、「3Dモデルは、色を変えられるだけでなく、透過させたり、一部の部材を非表示にして内部を見える化することにも役立った」とコメントした。

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