トプコンの油圧ショベル用ICT建機システム「X-53x」のラインアップに、新たなマシンコントロールシステム「X-53x Auto」が加わった。各建機メーカーの油圧ショベルに後付けして自動化できることから、現場作業の合理化、i-Constructionの普及推進が期待できる。
トプコンは2019年12月、油圧ショベルを自動化できるICT建機システム「X-53x」のラインアップに、新たなマシンコントロールシステム「X-53x Auto」を加えたことを発表した。
X-53xシリーズの最大の特長は、各建機メーカーの油圧ショベルに後付けできること。新モデルとなるX-53x Autoでは、動作制御の核となる油圧バルブおよびバルブコントローラーを後付けして容易にICT化できる(取付可能機種については要問い合わせ)。
上空視界の狭い現場でも正確な作業を可能にするマルチGNSS受信機も、前モデルX-53xからグレードアップした。GPS(米国)、GLONASS(ロシア)、QZSS(日本)、BeiDou(中国)、Galileo(EU)などさまざまな衛星測位システムの信号を受信できるので、従来よりも安定して高精度な施工ができるようになり、作業フィールドが広がった。
X-53xとX-53x Autoの大きな違いは、動作の自動制御機能(ブームアシスト)にある。アームレバーを操作するだけで、バケットの刃先の高さが設計面に適合するようブームの角度を自動制御できる。
さらに自動制御したままバケットを固定すれば、設計面に対するバケットの高さと角度を同時に固定できる(バケットアシスト)。これにより作業時間が短縮し、仕上げ精度も飛躍的に向上。オペレーターの熟練度に左右されず安定して施工できる。
同社独自のジョイスティックも新採用となる。ボタン操作1つで設計値のオフセットやアシスト機能のON/OFFが可能だ。
i-Constructionの普及推進が叫ばれる中、現場で最も使用される油圧ショベルのICT化が建設各社の急務となっている。トプコンはX-53xシリーズの開発提供により、作業効率の合理化やベテラン技術者の不足といった従来の問題だけでなく、油圧ショベルの手軽なICT化実現という業界全体が抱える新しい課題の解決にも応えたいとしている。
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