戸田建設が高速道路更新工事を省力化する新型プレキャスト壁高欄「TIG-Wall」を開発：新工法

戸田建設は、高速道路のリニューアル工事の簡素化を目的に、新型プレキャスト壁高欄「TIG-Wall」を開発した。シンプルな接合構造を採用して施工の省力化と美観の向上を図った。

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　戸田建設は2025年12月24日、高速道路のリニューアル工事に対応する新型プレキャスト壁高欄「TIG-Wall（ティグウォール）」を開発したと発表した。施工の簡素化を目的に、シンプルな接合構造を採用して施工の省力化と美観の向上を図った。

TIG-Wallの接合部詳細図　出典：戸田建設プレスリリース

　TIG-Wallは、床版に先行して設置した壁高欄に隣接するように後行の壁高欄を落とし込んで設置する。壁高欄同士の接合部は切欠き鋼板とプレートナットが嵌合した状態に、壁高欄と床版の接合部は、壁高欄のモルタル充填式継手に床版から突出した鉄筋を挿入した状態になる。最後にそれぞれの接合部と継手にモルタルを充填して一体化する。

　シンプルな構造で施工を簡素化したことで、現場での鉄筋や型枠の組み立て作業が不要となり、短時間での施工が可能となる。また、壁高欄と床版間の接合部幅を25ミリまで縮小することでモルタル量も抑制した。電気／通信管路として最大6条のVE54（硬質ビニル電線管）が収納可能だ。

通信管路の収納状況　出典：戸田建設プレスリリース

　TIG-Wallの性能確認のため、プレキャスト壁高欄の接合構造の性能試験として定められている「NEXCO試験方法441」に基づき、実車衝突相当の衝撃荷重を台車によって作用させる試験を行った。壁高欄の端部、中央部、接合部についてそれぞれ実施した結果、全てのケースで全性能照査項目を満足していることを確認した。

　戸田建設は今後、TIG-Wallの現場適用を推進し、高速道路の床版取替工事における施工効率と品質の両立を目指すとしている。

衝突試験（NEXCO試験方法441）実施状況　出典：戸田建設プレスリリース