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» 2019年12月12日 05時34分 公開

第3回橋梁・トンネル技術展:「設置して押して通すだけ」技術者不要のシンプルなたわみ計測

国土交通省のデータによれば、国内にある約72万橋のうち、約6万橋は早期措置または緊急措置段階にあると報告されている。鋼構造物の設計・調査・点検・コンサルタントを手掛けるTTESは、機器を置くだけで橋梁の予防保全が実現する「たわみ」測定システムを開発した。

[石原忍,BUILT]

 TTESは、「第3回橋梁・トンネル技術展」(会期:2019年11月27〜29日、幕張メッセ)で、「設置して、押して、通すだけ」の誰でも簡単に橋の“たわみ”を測定する「Integral AC」をプレゼンした。

取得した「たわみ」のデータはクラウドで一元管理

センサー、3G回線、GNSS、microSDが一体となった「Integral AC」

 Integral ACは、加速度を用いて、計測点に装置を設置するだけで、誰でもカンタンに正確な計測が可能になる新システム。取得したデータは、クラウド上にビッグデータとして収集され、このデータを活用することで、崩落の危険がある橋をいち早く検知。限られた予算でも、最適なメンテナンスが実現する。

 センサーデバイスは、センサー、3G回線、GNSS、microSDが一体となり、計測から、保存、クラウド連携までを単体で担う。計測方法は、BOX型のセンサー機器を橋の上に設置するだけで、計測がスタート。これまでのように、橋の下に計測機器を置くための足場を組む必要も無い。

 機器の取り付けは、アンカーで橋に固定する設置治具によってワンタッチで完了する。操作も事前の設定は要らず、ボタンを押すだけで自動実行され、車両による振動も含めて取得したデータはクラウドに自動でアップロードされる。

ミニカーを使ったデモ。プラ板を橋に見立て、ミニカーを走らせると振動を検知して、モニターに揺れを表示
橋に固定する設置治具

 PCのモニター画面では、理解しやすいミリメートル単位で変位が表示される。橋梁自体の情報は、GPSと自動でひもづけられるため場所が特定され、複数の橋を一元的に管理することが実現。遠隔地でタブレットやスマートフォンからもモニタリングすることが可能だ。

 想定される利用シーンとしては、新設の橋梁で動的たわみの初期値取得をはじめ、経年劣化した橋の時系列変化の把握、クラウドを利用すれば似たような物件との比較検討にも役立てられる。

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