ZEH累積棟数で世界No.1、“植栽もスゴイ”【積水ハウス】が考える住宅の「環境戦略」 : ZEH (3/3 ページ)
一風変わった他には無い脱炭素化の取り組みとして石田氏は、2001年から計画が進められていた「5本の樹」を紹介。生物多様性の保全を目的に、庭に5本の樹を植え、止まり木として訪れる野鳥と植物の関係を紹介するオリジナル冊子を作成して、ハード(造園)とソフト(情報提供)の両面でサポートを行っている。
この試みも事業と一体で考えられており、これまでに累計1502万本の植樹を達成し、積水ハウスは外構造園事業で売上高600億円以上に到達した日本一の造園業者という側面も併せ持つ。
生物多様性の保全を目的とした「5本の樹」
企業の自然エネルギー100%を推進する国際ビジネスイニシアティブRE100に対する考えでは、電力事業者はオーナーと積水ハウスの間に入り、ZEHから卒FIT電力を買い取り(買取価格:11円/kWh)、工場・事務所・展示場に事業用電力として供給する。これにより、協力電力会社にとっては取得コストや営業コストが削減されるメリットが生まれる。「卒FIT買い取りの他社との違いは、電力の小売りとセットではないこと。古い契約の方がオーナーに有利に働く場合があるためで、過去に買った人も優遇されるオーナーサポートでなければならない」(石田氏)。
家を建てることの持続可能性につながる廃棄物のゼロエミッションでは、建築資材の100%リサイクルを目指す。新築施工現場では27分別、資源循環センターでは80分別を、QRコードを利用したオリジナルの廃棄物実測システムによって実現していることを紹介し、講演を締めくくった。
新築営業の8割で利用、積水ハウスが提案する“ヴァーチャル住まいづくり”
積水ハウスは、ハウスメーカーならではのVR技術を活用した新サービスを2018年2月から展開している。同社のVRサービスは、BIM(Building Information Modeling)に近いオリジナルのCADシステムをベースに、一般社員によって制作できるシステムが構築されており、外注がなく社内だけで完結しているという他のVRサービスにはない強みがある。
ドローンやロボットを使った“積水ハウス”の住宅点検サービス、54%の省力化で人手不足・高齢化を解消
積水ハウスは、ロボットやドローンを活用した戸建て住宅の点検システム「スマートインスペクション」を、2019年8月1日から全国29事業所のカスタマーセンターで順次スタートさせる。複数の先進機器を組み合わせ、遠隔で診断する点検システムは住宅業界で初だという。
積水ハウスの全工程“一気通貫”CADプラットフォーム、業務別200以上のアプリを開発
積水ハウスは、住宅業界におけるITを活用した働き方の改革の取り組みを進めている。その象徴である2010年からプロジェクトがスタートした「邸情報プロジェクト」は、総額89億円を投じ、社内でこれまでバラバラに運用されていたCADシステムを一元化するだけでなく、開発から、設計、生産、施工、引き渡し、アフターケアまで全工程一気通貫の全社最適化を実現した。この成果として、年間87億円もの継続したコストダウンが達成されたという。
積水ハウス×KDDI×日立が協創、初弾の実証では“ブロックチェーン”で賃貸契約の本人確認を一元化
積水ハウス、KDDI、日立製作所の3社は、企業が持つ独自情報を安全性の高い環境で共有し、異業種データの掛け合わせによる新サービスを創出する目的で、「企業間情報連携基盤」の実現に向けた協創を開始した。初弾として2019年4月から、賃貸住宅に関する手続きをイーサリアムブロックチェーン「Quorum(クォーラム)」上で行う。これまでの賃貸契約の様に、各種手続きでその都度、個人認証をする必要が無くなり、一括して行えることで借り主側に利便性がもたらされる。
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