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» 2019年03月21日 07時00分 公開

ブロックチェーン:積水ハウス×KDDI×日立が協創、初弾の実証では“ブロックチェーン”で賃貸契約の本人確認を一元化

積水ハウス、KDDI、日立製作所の3社は、企業が持つ独自情報を安全性の高い環境で共有し、異業種データの掛け合わせによる新サービスを創出する目的で、「企業間情報連携基盤」の実現に向けた協創を開始した。初弾として2019年4月から、賃貸住宅に関する手続きをイーサリアムブロックチェーン「Quorum(クォーラム)」上で行う。これまでの賃貸契約の様に、各種手続きでその都度、個人認証をする必要が無くなり、一括して行えることで借り主側に利便性がもたらされる。

[BUILT]

 積水ハウス、KDDI、日立製作所の3社は、異業種間のデータを融合させて新サービス創出を目指し、協創を開始した。第1弾として、不動産賃貸物件の内覧から入居までに生じる入居者の各種手続きをブロックチェーンで簡略化し、利便性を向上させる共同検証を2019年4月から開始する。

「本人確認情報」をブロックチェーンで連携、賃貸契約の利便性を向上

 第1弾の共同検証で行う、賃貸契約の利便性向上では、3社で企業間情報の連携基盤を構築する。積水ハウスグループの不動産賃貸に関する本人確認情報(不動産契約情報)と、KDDIの本人確認情報(通信契約情報)を本人の同意のもとイーサリアムブロックチェーン「Quorum(クォーラム)」上でセキュアに連携。物件の内覧申し込みをはじめ、契約手続き、固定通信や電気、ガスといった住宅に関わる各種契約の手続きをワンストップで提供し、サービスの有効性を検証する。

協創における各社の役割 提供:積水ハウス

 生活に関わるさまざまな手続きでは、身元確認を目的とした本人確認が必要となる。例えば、引っ越しの場合は、賃貸物件の内覧や契約にはじまり、固定通信や電気、ガスといったライフラインの契約、住所変更の手続きなどで、サービスを提供する企業ごとに、本人確認書類の提出や書類の記入が繰り返し発生し、賃借人にとって負担となっている。

 これまでに、積水ハウスはブロックチェーン技術を活用した不動産情報管理システムを築き、一方でKDDIと日立はブロックチェーンと生体ID認証を用いてクーポンの決済実証を行っている。

 今回の共同検証では、ブロックチェーンを活用してスマートコントラクト(仲介業者不要の自動取引・決済システム)の「イーサリアム・ブロックチェーン」のうち、Quorumを適用。さらに日立のIoTプラットフォーム「Lumada(ルマーダ)」を活用して、企業間の中立的な情報連携基盤をとして、積水ハウスとKDDIそれぞれが持つ本人確認情報をリンクさせる。

 検証の流れとしては、ユーザーが開示を承諾した通信契約などのKDDIの持つ登録情報に基づき、まず物件の内覧/入居申し込みを行う。開示が許諾された本人確認情報と住関連情報をブロックチェーンに登録し、電気、通信、ガスなどの住まいに関するサービスへ一括で申し込み。さらに住所変更も一括で登録するまでが一連の流れ。

 本人確認情報を相互に補完させることで、賃貸物件の内覧申し込みの際に、現住所や電話番号といった手間のかかる入力を簡略化することができる。また、固定通信や電気、ガスといった住宅に関わる複数契約の申し込みの一元化、住所変更など、煩雑な各種手続きを簡易にするだけでなく、カスタマイズされたサービスをワンストップで提供することもを検討するなど、ビジネスモデルやサービス性についても確認するという。

 今後は、共同検証の成果をもとに、金融機関や自治体などにも広く参加を募って、コンソーシアムを形成し、顧客と企業の双方に有益なエコシステムの確立を目指す。

 自治体や各企業がそれぞれ保有する独自の情報を本人の同意のもとで、持ち寄り共有することで、データの掛け合わせによる新たなユーザーメリットの創出、一括契約や手続きが可能な業種の拡大が実現する。

 また、企業間情報連携基盤では、ユーザー自身が直接アクセスして、参加企業ごとに開示する内容や範囲を指定する機能の実装を見据えており、必要な本人確認を最小限にしながらも、付加価値の高い新サービスの提供を目指す。

コンソーシアム形成による企業間情報連携基盤のイメージ 提供:積水ハウス

 

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