施工〜施設維持まで「再エネ100%」目指すプロジェクト始動、大和ハウス工業スマートシティ

大和ハウス工業は千葉県船橋市における船橋塚田プロジェクトで、「再生可能エネルギー100%のまちづくり」を開始した。施工から施設維持に至るまで電力の大半を再生可能エネルギー電気で賄う試みは日本初だという。

» 2019年08月21日 08時00分 公開
[BUILT]

 大和ハウス工業は2019年7月、AGCテクノグラス中山事業場跡地(千葉県船橋市)での複合開発において、「施工」および「暮らし」に必要な全電力を再生可能エネルギーに由来する電気(以下、再エネ電気)で賄う「船橋塚田プロジェクト」に着手したことを発表した。

photo 「船橋塚田プロジェクト」開発イメージ 出典:大和ハウス工業

 船橋塚田プロジェクトは、戸建住宅(26区画)、分譲マンション(571戸/11階建て)、賃貸住宅(低層39戸/3階建て4棟、中高層223戸/11階建て)からなる居住街区と商業施設で構成され、事業面積5万7456.19平方メートル(東京ドーム約1.2個分)に達する大規模複合開発プロジェクト。総事業費は約260億円、総工期は2018年8月〜2021年3月。敷地面積は4万7601.38平方メートル。

 同プロジェクトでは、居住街区および商業施設の施工時に必要な工事用電源に再エネ電気を100%利用する。プロジェクト完工後も、居住街区については入居者が利用する電気および共用部や街灯の電気なども全て再エネ電気で賄われる。

 また戸建て住宅と分譲マンションには太陽光発電システムを設置し、創出した電気を居住街区に供給する。住宅間の電力融通やマンション全体の最大需要電力を自動調整するデマンドコントロールを活用することで、外部から購入する再エネ電気を可能なかぎり削減する取り組みも行う。

photo スマート街路灯の特長1:IoTネットワーク化で街路灯を一元管理 出典:大和ハウス工業

 本プロジェクトで供給する再エネ電気は、大和ハウスグループが管理・運営する菅沼水力発電所(岐阜県飛騨市。発電出力約2MW)で発電した電気を主に利用する。同発電所と本プロジェクト間で特定卸供給契約を締結して電気を供給するとともに、電気が不足した場合は同グループが全国315カ所で管理・運営する他の再生可能エネルギー発電所から電気を供給する仕組みだ。

photo 菅沼水力発電所外観 出典:大和ハウス工業

 ただし同発電所で創出した電気はFIT(固定価格買取制度)電気であるため、そのままではCO2排出量ゼロの環境価値を持つとはみなされない。大和ハウス工業環境エネルギー事業部がトラッキング付き非化石証書を購入し、同発電所から供給された電気であることを証明することで、本プロジェクトに供給する再エネ電気が実質的にCO2排出量ゼロとみなされることになる。またこの取り組みにより、RE100(100%再エネによる事業運営を目標に掲げる企業が加盟する国際的イニシアティブ)のルールにも準拠する仕様となる。

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