NEXCO西日本と三井住友建設は、橋梁(きょうりょう)の車両用防護柵で、腐食する鋼材を一切使用しない超高耐久のプレキャスト壁高欄「Dura-Barrier」を開発した。
超高耐久壁高欄は、2010年から両社が研究を進めてきた鉄筋やPC鋼材の代替で、腐食しない新材料を緊張材として用いる超高耐久橋梁「Dura-Bridge(耐久性のある橋)」の技術を応用している。Dura-Barrierは、GFRP(Glass Fiber Reinforced Plastics:ガラス繊維強化樹脂)ロッドをプレキャスト壁高欄本体の補強材と床版との接合部材として使用することで、壁高欄の超高耐久化を実現した。
構造は、一般的な剛性防護柵であるフロリダ型の形状で、壁高欄と床版に加え、壁高欄同士の接合部にもGFRPロッドを使用している。現場での施工は、プレキャスト部材を所定の位置に設置した後、地覆との間詰め部とプレキャスト部材間の間詰め部に、高強度無収縮モルタルを充填(じゅうてん)するだけで完了する。
これまで行った構造検討や衝突試験では、実橋へ適用するのに十分な強度と安全性を有することが確認されている。
Dura-Bridgeを導入するメリットとしては、腐食劣化の可能性が無くなり、コンクリート片の剥(はく)落などによる第三者被害を防げることがある。さらに、長期的に考えると、今までの様に凍結防止剤の散布や沿岸部での飛来塩分などの影響で、鋼材の腐食が起きないため、将来にわたって維持管理のための人手やコストの低減につながる。
そのため、三井住友建設では、腐食が懸念される環境にあって高い耐久性が求められる箇所や床版取り替え工事への適用を目指していくとしている。
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