NEXCO西日本は、三井住友建設とともに研究・開発を進めてきた鉄筋やPC鋼材に代わる非鉄製材料を用いた超高耐久橋梁「Dura-Bridge」を高速道路の本線橋に初採用する。
NEXCO西日本は2018年8月13日、超高耐久橋梁(きょうりょう)「Dura-Bridge」を徳島自動車道の本線橋に初採用すると発表した。
Dura-Bridgeは、NEXCO西日本と三井住友建設が共同で2010年3月から共同研究を進めてきた腐食しない新材料を緊張材として用いた鉄筋やPC鋼材の代替となる超高耐久橋梁。鋼材腐食によるコンクリート片のはく落による第三者への落下事故を防ぐとともに、耐久性が飛躍的に向上することでインフラメンテナンス費用の大幅な削減に期待ができる。
高速道路橋は、凍結防止剤の散布や沿岸部の飛来塩分のため、鋼材の腐食による劣化が進行している。課題解決のため、鉄筋やPC鋼材などの鋼材を一切用いないことで、超高耐久橋梁の開発を進めてきた。開発段階では、材料試験、要素試験で、設計で求められる十分な強度が確認され、従来の鉄筋やPC鋼材を用いたプレストレストコンクリート床版と同等以上の疲労耐久性を有することが実証された。実際に2年間工事用道路としても使用し、施工性や安全性も検証された。
Dura-Bridgeは、設計基準強度80N/mm2の高強度繊維補強コンクリートを使用することで、鉄筋の配置をなくし、PC鋼材の代わりに、強い繊維を束ねた棒状の「アラミドFRPロッド」を使用。プレストレスを導入することで、腐食劣化の可能性を排除している。また、部材を極力、工場で製作することで、高品質化と現場作業の省力化も図っている。
導入するのは、徳島自動車道の土成IC〜脇町IC間で工事を進めている「別埜谷橋」。工場で製作した複数のセグメントを現地に運搬し架設することで、橋長27.5m(メートル)の橋梁を建設する。工期は2018年度の詳細設計後、2019年第1四半期から工場での製作。橋台改築を行った後、2019年第4四半期から現場での架設工事に入る。
NEXCO西日本では、今回の工事で得られた知見を活用し、工法の適用拡大に向けた基準などの整備を進める。飛来塩分や凍結防止剤散布による鋼材の腐食環境が厳しい、高い耐久性が望まれる本線構造物への展開を目指すとしている。
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