三井住友建設は、構造タンパク質を使った建設分野向けの新素材・新技術の開発に向け、慶應義塾大学発ベンチャーSpiber(スパイバー)と共同研究契約を締結した。
三井住友建設は、構造タンパク質を使った建設分野向けの新素材・新技術の開発に向け、クモの糸を次世代繊維「QMONOS(クモノス)」で再現し量産化に成功したことで知られるSpiber(スパイバー)と共同研究の契約を締結した。
Spilberが開発を進める構造タンパク質素材は、植物資源をベースにした発酵プロセスにより生成され、それを構成する20種類のアミノ酸の組み合わせパターンから、多様な特性や形態の材料を設計できる。応用の可能性が大きく、持続可能な基幹素材としての活用が見込めることから、共同で素材のデザイン・選抜の技術開発を進める。
構造タンパク質は、タンパク質のうち細胞骨格やクモの糸のような構造的役割を果たすものを指す。人体の毛や爪などを構成する「ケラチン」や骨、皮膚(ひふ)などを構成する「コラーゲン」などがある。
Spiberは、そうしたタンパク質素材の生産を産業化させるべく2007年に設立したスタートアップ企業。独自の構造タンパク質素材「QMONOS(クモノス)」を開発するなど、世界に先駆けて構造タンパク質素材の量産技術を確立した。同社の開発する構造タンパク質は、繊維や樹脂、フィルム、ゲルなどへ加工できる。既存の樹脂との組み合わせで複合材料としても利用できる。アパレルや輸送機器などの分野でさまざまな用途が見込まれている。
三井住友建設は、100年を超える高耐久のコンクリート構造物を構築する技術や環境負荷を低減する技術など、土木/建築分野で持続可能な社会インフラの技術開発を続けてきた。「両社のフィールドで培った技術・ノウハウを生かしたソリューションの創出を推進していく」(広報室)と話す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.